旅行もいよいよ最終日…

mike-cat2005-11-23



帰りの飛行機が夕方の便のため、ホテルに荷物を預けて外出する。
まずは、パリの朝食食べおさめ。
マルシェ・サンジェルマン裏のサロン・ド・テ〝Seraphin〟でいただく。
何となくイタリアっぽいたたずまいだが、朝食メニューはスタンダードだ。
ただ、量がとてつもなく多い。
普通のモーニングセットみたいなのを頼んだが、これがすごい。
パンは山ほど持ってくるし、オムレツも特大サイズ、
ジャムは何種類も持ってくるし、チーズもついてる上に、フルーツもつく。
あとはフルーツジュースとコーヒー、ということで、
フルコースのコンチネンタル・ブレックファストをいただくこととなる。


けっこう胸いっぱいになった状態で、サンシュルピシュ広場へ。

そういえば、やたらと近くにあったのに、いままでなぜかスルーしていた。
サンシュルピシュ教会に、広場の噴水を眺め、とやっているとあっという間に凍える。
そう、この日も寒い。朝の日差しはとてもさわやかなのに、とてつもなく寒い。
さっきたらふく食べた朝食の〝貯金〟が切れ、早くも肩がいかってくる。
この近くにピエール・エルメがあるのだが、お店を眺めただけで、とりあえずパス。
やはり、お腹が膨れている時って、どうも前向きな気持ちが失われてしまう。


ここからたらたらとお散歩モード。
ポンヌフを越えて、地元っ子御用達のデパート、サマルテーヌに向かう。
とりあえず、増えすぎた荷物を入れるため、
新しいバッグを手に入れなければならないのだが、どうもいいのがない。
いろいろ考えた末、じゃやっぱりデパートと思って入ると、どうもヘンだ。
どちらかというと、新宿三越の残骸のように、単なるテナントビルになっている。
もう一度地図を見直して、本館らしきところに行くと、どうも休業か改装中。
せっかく来たのにな、などと思っていると、また寒い風が吹く。


気を取り直して歩き出すと、後ろのビルに見慣れた名前がある。
そう、ルイ・ヴィトン本社ビルだったりする。
ヴィトンがお好きな奥さまにとっては、まあ聖地みたいなものに当たるわけだ。
別にショップが併設されているわけでもないのだが、とりあえず写真は撮る。

なるほど、重厚な雰囲気だ。この中でデザインとかしてるんだろうか。
しかし、別に何かアトラクションもあるわけでもないので、移動することにする。
依然、バッグは手に入れていないので、結局ギャラリー・ラファイエットへ。
もう何度目になるのか、本当にお恥ずかしや、なのだが…


何度か見て「ピンとこない」とブツブツ言っていた品ぞろえの中から、
とりあえず巨大なバッグを選び出し、あきらめ、というかまずはひと安心。
ここからオペラ、ヴァンドーム広場、チュイルリー宮と散歩がてら見て回る。
リッツだとか、パークハイアットだとか、
泊まりたくても泊まれなかった憧れのホテルを横目にたらたらと歩く。
こうやって歩いていると「また来たときは…」なんて感じで、
早くも〝次〟のイメージが色々と湧いてくるのだから、つくづく楽しい街だと思う。


対岸に渡ろうと、橋に向かうと、対岸にオルセー美術館を発見。

スケジュールの都合で見ることができなかったけど、ここも〝次〟と決意を固める。
ここから再びサンジェルマン界隈を散策(ちょっと迷ったが…)、
ようやくお腹も減ってきたので、再びピエール・エルメに再チャレンジと決め込む。
エルメといえば、
東京のニューオータニに少々と、TDL横のイクスピアリにカフェがあるけど、
さすが本場パリのお店(といっても2号店なのだが…)は品ぞろえが違う。
定番のケーキに、一番のウリでもあるマカロン、数え切れないほどの板チョコ、そしてデニッシュ…

飛行機までのおやつにデニッシュを少々、
金色に光る抹茶やヴァニラなどマカロンを数個(グラム売り♪)と、
ベルガモット・フレーバーの板チョコなどなど、混み合う店内を擦り抜け、何とか購入する。
店員が微妙に感じ悪いのは無視して、とりあえずはお菓子天国巡りを締めてみる。


そうこうしてるうちに、タイムリミットが近づいてきたので、
冷えきった身体を温めに、ホテル真正面のドゥ・マゴにてお茶をいただく。
よし、文豪気分だ。
渋谷のBunkamuraとはちょっと違う、やや明るめの雰囲気の中、
やや観光名所ノリのギャルソンが、高圧的に「お茶か? 食事か?」と訊いてくる。
メニュー見てから決める、とかフランス語で言えればいいのだが、
当然分からないので、その態度に屈し、お茶用の席に向かう。
注文したのは、ポットサービスのコーヒーと、ショコラ・ショー。


濃厚な感じの、典型的なショコラ・ショーに、けっこう感激していると、
なかなか派手なコスチュームの女性が、ケーキのプレートを持ってくる。
気づくと、あまり言葉もわからないくせに、なぜか言葉巧みにタルトタタンを注文してる。
アップル・シュトゥルーデルっぽい気もするが、まあパリなのでそういうことにしておく。
こちらもけっこうスタンダードな感じなのだが、香り高さがとても印象的。
パリを名残惜しむこともないまま、あっという間に平らげてしまった。まぬけ…


やや渋滞気味の高速を抜け、シャルル・ドゴール空港へ。
チェックインの手続きをしようとカウンターに向かうと、
到着の時に飛行機に忘れた財布を届けてくれた方が! 
「おかげさまで無事旅行できました」と丁重にお礼を申し上げ、免税の手続きへ。
しかし、これがすごい。並んでるのが中国人と日本人だけ。
たぶん、一緒くたにされてるんだろうな、などと思って眺めていると、
「30年前の日本人はこんな感じだったんだろうな」という感じで、ごたごたやってる。
銀行とか、切符の列とかでも思うのだが、
どうしてのろまなヒトって、〝自分の番がきてから〟手続きの準備を始めるのか。
別に全部出しとけとか言わないが、
並んでるうちに財布とか書類とか準備できるだろ!! と怒りを覚える。
それも、並んでる連中みんなそんな感じだから、もう、まさに悠久の時、という感じだ。
それでも、早めに行ったおかげで助かったのだが、気づくと後ろに長蛇の列…
最後尾のヒトとか、時間、間に合ったのだろうか…


会社関係など、おざなりに買うお土産を買い揃え、いざ飛行機へ。
機内ではまたもベタに「ベストヒットUSA特別版」とか、
トリビアの泉」のサザエさんの猫編を再び鑑賞。しかし、これは飽きない。
機内誌の免税品をもれなくチェックしつつ、何とか自制心を保って時間をやり過ごす。
到着したら、日本はもう24日となる。
理屈はわかってるし、散々経験してきているのだが、やっぱり時差って不思議だ。
旅行の思い出を反芻しながら窓から外を眺めると、ピカチューが手を振ってる。
ああ、そういえば行きもポケモンジェットだったっけ…
行きはともかく、帰りは何となく「ああ、日本だな…」という気持ちにさせてくれる。


これで旅行はおしまい。
また行くぞ、と思いつつ、
先立つものがいつ貯まるのか、を考えるとけっこう気が遠くなる。
まずはちびちびとマイレージでも貯めようか、しかしそれにも先立つものが…
最後までワケわかんないこと悩みながら、旅行はフィナーレを迎えたのだった。