旅行10日目。フル滞在はきょうで最後となる。

mike-cat2005-11-22



前夜、早く寝たせいで、すっかり元気を取り戻す。
そうなれば、朝ごはん♪、ということで
rue de Buci と rue de Seine の角のBar du Marcheへ。
ちょっとイタリアンっぽいのだが、建物の雰囲気はかなりいい。
チーズ入りホットドッグと、クロックマダムにカフェオレと洒落込む。
洒落込むというほど、洒落てはいないのだが、お味はナイス♪
ボリュームが微妙に多いのだが、あっという間に平らげてしまった。


ここからポンヌフに向かい、ここから発着の遊覧船に乗る。
本来ミーハーとしてはバトー・ムーシュなのだろうけど、それはそれ。
ディナーだと要正装だったりするし、そんなもの今回は持ってきてないし…
川の上といえば、やたらと寒いのが定番だが、幸いにも快晴のこの日。
寒いのには変わりないが、ぎりぎり何とか屋外デッキにいられる程度の寒さだ。


コースはルーブル美術館コンコルド広場を右手に見つつ、エッフェル塔へ。
そこから折り返し、ポンヌフからノートルダム寺院を左手に見ながら、
最後はサンルイ島を回って、再びポンヌフに戻る、という感じになっている。
川の真ん中から眺めるパリの街、というのは、やはり格別だ。
なるほど、寒い思いしてみるだけの甲斐はある。
というか、初夏ぐらいに乗ったら、最高に楽しいんだろうけど、ね。


やはり印象的だったのは、エッフェル塔だろう。平凡で申し訳ないのだが…
時間的にちょうど逆光となっていて、エッフェル塔の鉄骨から光が漏れてくる。
いっぱしの写真家を気取って、一枚撮ってみた。

まあ、なかなか悪くないかも、と自画自賛してみるのだが、
ここらへんから身体が寒さで動かなくなってくる。
一応折り返し区間は室内に、ということで、デッキとの出入りを繰り返す一時間。
ノートルダム寺院もなかなか「ううむ」とうなる素敵さだったことも、つけ加えておく。


で、船を降りた頃にはすっかり冷えきっていたため、以前敗れ去ったマリアージュ・フレールへ。
紅茶のクレームブリュレと、3種のお茶(カブキ、サクラ、マッチャ)のパンナコッタ。
紅茶はアップルティーと、ジャスミンが香る「1854」をいただく。
そういえば、表面パリパリのブリュレは、今回の旅行では初めて。
アメリ」よろしく、スプーンでバリバリ割って、ガツガツといただく。
パンナコッタも香り豊か。かといって、香りが勝ってしまう、ということもない。
これまた、バランスよく仕上げられた一品だ。


で、St.Mitchel からメトロ4号線でChatlet、ここで11号線に乗り換えてRepubliqueへ。
アメリ」が水切りをしていたサンマルタン運河へ向かう。
駅を降りると、微妙に方向がわからない。
「たぶん、こっち!」が何とか的中し、運河に到着する。
陽が当たっている間はいいのだが、日陰がやたらと寒い。
この季節は閉鎖されているエリアもあるらしく、どうも〝水切り現場〟は確認できず。
たぶん、ここらへん? ということで、一応自分を納得させる。

で、また寒くなったのでお茶をいただくことに。
運河沿いにパステルカラーが映える、オリエンタル風カフェ、ANTOINE et LILIへ。
テーブルで大暴れする、やんちゃな子どもをほほ笑ましく眺めながら
(白い目を向けるには、微妙にぎりぎりのルールを守ってる…)、
チャイと、お花の香りを効かせた紅茶をいただく。花はよくわからず…


すっかり温まり、再び出発。
通りで見かけたパン屋で、チョリソーのドーナツとチョコクロワッサンを買い込む。
で、駅に向かってふらふら歩いていると、オシャレなガラス扉を発見。

童話を思わせる金属の飾りが、やたらとナイスだ。
標識を読んでみると、小学校だったりする。
なるほど、フランスは小学校までオシャレに作ってあるのね、と感心する。


再びメトロ11号線、Hotel de Ville で1号線に乗り換え、St.Paulへ。
ユダヤ人街のロジェ通り rue Roslersに向かう。
イブラヒムおじさんとコーランの花たち」の気分を味わおうという趣向だ。
リヴォリ通りをルーブル方面にたらたら歩いてから、ぐるりと回ってロジェ通りへ。
まずは石鹸の専門店 L'Atelier du Savonに入ってみる。
店内にはオレンジ、レモン、メロンなどなど、数々のフルーティーな香りの石鹸や入浴剤。
なかなかきっつい香りだが、雰囲気のよさに思わず恍惚となる。
石に香りをつけた、不思議な芳香剤も発見。
紅茶の香りの石鹸や、ロータス(蓮)の香りの石、シトロンの石鹸などを買い込む。
おっしゃれなパッケージが、これまた満足感を倍加させてくれる。


いよいよロジェ通り。
いかにもユダヤ人街、かどうかは、
僕の知識ではわからないのだが、いわゆる下町っぽい情緒溢れる通りだ。
で、いよいよ楽しみにしていた、ファラフェルにありつく。
ひよこ豆を使った中近東風コロッケに、赤キャベツ、ナスなどをピタに挟んだサンドイッチだ。
入ったのは、緑と黄色の店構えが印象的なL'AS DU FALLAFEL。
ガイドブックには「週末はつねに大行列」とあるこの店、
なるほど、平日の昼下がり、というこの時間帯でも客足は絶えない。


イスラエル産、というラズベリー&バナナのネクターとともにボナペティ♪する。
味合わせは微妙なんだけど、いちおうイスラエルつながりで…。
で、ファラフェルだ。

いわゆる豆のモコモコ感は皆無。コロッケの香りが食欲を無性にそそる。
赤キャベツ&ナスもコロッケとの抜群の相性を示し、
もう口の中は桃源郷そのもの(この表現、きのうも使ったような…)だ。
むむむ、くせになるかもしれない。くせになっても食べられないのが、悔しくてならないが…
この旅行で、一、二を争う最高の味であることは間違いない。
ネクターはまあ、別物として飲む。濃厚だけど、これまた美味、ということで。


通りを抜け、ここから近所のスーパーを見物。
ちょっとチープなお買い物を楽しんだ後、またもメトロでギャラリー・ラファイエット
隣接のプランタンでも、クリスマス向けショーウィンドウものぞいた後、
フォションエディアールなどが並ぶマドレーヌ広場へ向かう。
なるほど、どちらも日本にお店は出しているが、どこか雰囲気が違う。
豪華そのものの品ぞろえは、さすが名店、という感じだ。


近くのブランド通りを一応冷やかし、目指すはポトフ専門店 Le Roi du Pot Feuへ。
雰囲気あふれる看板の下をくぐり、お店に入る。

ちょっと空いているのが気がかりだったが、とりあえずポトフを注文。
脊髄たっぷりの牛骨、キャベツ、ポテト、ポロネギ、カブ、にんにくなどなど…
塩とたっぷりのマスタードで、はぐはぐといただく。
いまどき、決して珍しい料理ではないし、
かつて日本で食べたどのポトフよりも美味しい、ということもない。
だが、やはり寒風吹きすさぶパリで食べるとなると、気分はひとしおだ。
ひたすら夢中になって、平らげる。もちろん、大満足のひと皿だ。


食後はMadeleineからメトロ12号線で、ホテルにほど近いRue du Bacへ。
ホテルへ向かう前に、待望のMONOPRIXでお買い物に勤しむ。
マンゴジュースや、この旅行中すっかりお馴染みのヴォルヴィックのシトロン風味、
モノプリ特製?クッキーに、タルタルソースなどなど…


レジに並ぶと、目の前のカートには親子連れ。
2、3歳の女の子が、明らかにまだ未精算の買い物の上で暴れてる。
近くにあるものをつかんで投げるわ、壊すわ…
しかし、オヤジは壊したの知らんぷり。何か精算もいいかげんなまま、店員も見て見ぬふり。
こういうのを見るにつけ、崩壊しつつある、という日本のモラルも、そう捨てたもんじゃない、と。


大荷物を抱え、ホテルに戻る。
名残惜しさを感じる前に、しなければならないのは荷物の整理。
ひたすら増え続けた荷物を前に、呆然としつつ、ただただ没頭するのみ、なのだった。