旅行3日目。ひとまずパリを離れ、ブリュッセルへ向かう。

mike-cat2005-11-15



Chatelet乗り換えのメトロ4号線でGare du Nord(パリ北駅)へ。
タクシーという手段もあったのだが、
いっぱしのパリジャンを気取って、地下鉄でなんて考えたのが失敗だった。
乗り換え、まるで迷路。
重たい荷物を抱え、階段を上ったり下りたり…
ようやくたどり着いたパリ北駅でも、ひいひい言いながら階段を上る。


しかし、ずらっと並ぶプラットフォームの壮観な光景で、一瞬疲れを忘れる。

日本のターミナル駅とかって、東京駅にしてもどこにしても、
何だかゴチャゴチャしてるばっかりで、ちっともきれいじゃないけど
実際のところ、効率的かどうかは疑問だけど、ロマンみたいなのを感じる。
乗るのはthalys(タリス)というワインレッドの列車。
パリからベルギー、オランダ、ドイツなどを結ぶ超特急だ。
ちなみにブリュッセルまでは1時間半弱。
パリ旅行のヒトなんかは、日帰りで十分行けるトコだったりする。
で、列車はこんな感じ。

旅行雑誌なんかを見ると、上品だとか、ロマンチックだの書いてある。
ま、確かに外見はそんな感じなのだが、どうにも中は微妙だ。
どうみてもメンテナンスがよくない。
今回はあんまり長く乗らないので2等なのだが、ひとことで言えばうすら汚い。
パリの街とかも遠め見る分にはきれいだが、
道には犬のウン×とか、犬のウ×コとか、犬の×ンコが落ちていたり、というのと同じ。
どうにもこのフランス人という方々は、あまり清潔ではないようだ。


揺れはなかなか強烈。
まあ、悪名高きJR西日本の〝新快速〟よりはずいぶんマシではあるが。
で、日本と違ってこちらでは電車の遅れは日常茶飯事だ。
案の定10分前後の遅れが出て、午前9時半過ぎにBruxelles MIDIに到着した。
ホテルは駅前のル・メリディアンなので、さっそく荷物を預けようと駅を出る。
ない。全然見当たらない。
どうしたもんかな、と広大な駅の周囲を歩くが見つからない。
すぐ近くにエール・フランスのブースがあったので、ちょいと訊くと、
「どこそこに案内所があるからそこで訊け」と苛立たしそうに言い放つ。
その案内所の場所は知ってる。
ただ、遠いのだ。だから訊いたのに。ヒマそうにしてたくせに…


仕方ないので、ようやく見かけた駅のヒトに訊く。
「メリディアン? そりゃセントラルだ。ここはMIDIの駅だ」
あ!
思わず〝目から鱗とはこのこと〟だ、と使いたくなるぐらいのご指摘。
そう、ホテルはブリュッセル・セントラルの駅前だった、と気づく。


というわけで、タクシーでホテルへ。
運ちゃんが「パリは寒いだろ?」と言ってくるのだが、ここも寒い。
むしろ雨がしとしと降っている分、こっちの方が…
とぺちゃぺちゃやってるうちにホテルへ到着。
アメリカンスタイルのホテルのきれいさに、しばし安堵を覚える。
まあ、値段もそれなりなので、当たり前といえば当たり前だが。


さっそく世界遺産のグランプラスへ。歩いて数分のトコだ。
風情のある街並みを歩き出すと、途端に空腹に気づく。
ベルギーといえば、まずはワッフルだろう、
ということで、手近なオウ・ガトー・ド・ブリュッセル(こんな名前だったと思う)へ。
日本でいう丸くてカリふわの〝ベルギーワッフル〟というのは、リエージュ風らしい。
ブリュッセル風は、長方形でふわふわ。カラメルのパリパリはない。
これにチョコレート&生クリームだの、バター&はちみつだのをかけて食べる。
フルーツというオプションもあったが、まあそれはあとのお楽しみにする。
お味? もちろん美味しい。
気分的なものもあるんだろうが、やはり味がこなれている感じだ。
こんなお手軽なお店でこんな美味しいのだから、さぞかし…といったトコか。


で、ようやくグランプラスへ向かう。
途中の道にブティック・タンタンとかもあるのだが、品ぞろえはいまいち。
「かわいいクリアファイルくらい…」と思って手に取ると、
しっかりとメイド・イン・ジャパンなので元に戻す。まあ、ありがちなできごと。
で、グランプラスだ。やっと着いた。

壮観。ヨーロッパの光景はそういうのがやたらと多いが、そのひと言に尽きる。
どことなく暗い感じで立ち並ぶ建物も雰囲気抜群。
しかし、細かい装飾とかに目を移すと、また違う味わいが感じられる。
つくづく、こういう古いものを取っておく意義、を感じる。
ここは旅行ガイドのウンチクをきちんと読んでおくと、また楽しいと思う。


次に行くべきは、ふつうあの名高い小便小僧なのだが、
ひねくれものなので、先に「トリビアの泉」でやってた〝小便少女〟を観に行く。
地図を片手にふらふらふらふら…
しかし、どうも見当たらない。
地図上その付近と思われるところは、どう見てもただの突き当たり裏路地。
まさかと思ってスルーし、ふらふらしてると全然違うところに出てしまう。
かなり迷ってもう一度、地図と見合わせながら、先ほどの裏路地へ。

思わず、あ! と驚く。
あった、あったのだ。それも異常なほどさりげなく、というかおざなりな感じで。
現在は積極的に公開はしていないようで、シャッター越しのご対面。

まあ、実際に水とか出ていて、それも明るい状態だと、
こちらもちょいと困ってしまうので(何せ目線の位置に、少女の股間が…)
考えてみればよかった、ともいえるのだが、複雑な想いは残ってしまった。
 

気を取り直して、小便小僧へ。
世界三大がっかり〟の揺るがぬ一角として名高いアレである。
ちなみにウィキペディアによると、あとふたつは
コペンハーゲンの人魚姫〟
シンガポールマーライオン
これにも諸説あるらしく、〝シドニーのオペラハウス〟も挙げられるらしい。
僕はこれで人魚姫以外は制覇したが、まあマーライオンよりマシかも。
あれは本当にがっかりさせられた。汚いし…


とはいえ、1メートルくらいはあると思っていた小便小僧は、
何と50センチ前後とものすごい小さい。さすが「三大がっかり!」と妙な感心。
隣のいかにも、な土産物店は、すぐ横の見える位置に、
まるっきり同じサイズのチョコレートを飾っていたりして、
まことに安い観光地ぶりを印象づける。

小便射出口(いわゆるち×ち×)も、思い切りホースの先だったりして、
またも「さすが三大がっかり!」と、うなってしまう。


で、近所の土産物店で寄り道。
小便小僧ワインオープナー(ち×ち×が下品にコークスクリュー)とか、
思いっきりベタなジョークグッズを買い込んでみる。
お次はベルギー名物チョコレートの新鋭 Planet Chocolatをのぞく。
ロミオとジュリエットを象った、チョコトリュフセットを買い込む。
ここは店員さんも感じがよくって、好印象。
確か日本未上陸だし、オシャレなパッケージの商品も多いので、お勧めかも。


ランチはグランプラス・フラバン公の館地下にあるt'Kelderke(ケルデルク)にて。
ベタな観光名所なのだが、地下倉庫を改装した感じで雰囲気はまずまず。
名物のフリッツ(フライドポテト、マヨネーズがけ)&、
ブーダンのソーセージ(真っ黒いのと真っ白いの、マッシュ野菜付)。
ウサギのビール煮込み、ラパン・アラ・グーズをいただく。
あとはチーズのクロケット
ムール貝はあまり興味がないのでパスした。
隣席の客がバケツ一杯に入れられたムール貝を前に、
目を白黒させるのを見て、安堵感を募らせる。


ウサギはちょっといまいち。煮込み不足なんだろうか…
ブーダンはかなり強烈な味だったが、味は深い。
で、フリッツ。たぶん牛脂かなんかで揚げてるのだが、味は最高だ。
間違いなくヘルシー志向の正反対を行く食べ物だが、
ヨーロッパまで来て、ヘルシー志向だなんて、いってられない。
あまりに大量なため、平らげることはできなかったけど、お味は満喫してしまった。


食べ終わると、いったんホテルへ。
少々お休みしてから、ふたたび散策に出る。
雨が降り続いたかと思えば、突然一瞬の晴れ間ものぞき、
そんな中、くるくると表情が変わるグランプラスを楽しんでみたりする。
で、そのついでにチョコレート屋さんめぐりとしゃれ込む。
Galler、Neuhausなどをめぐり、ちょいちょいとつまみ買い。

ネコのキャラクターのかわいいガレーでは、アドベントカレンダーも購入する。
あの、クリスマスまでの日替わりお楽しみ箱みたいなやつだ。
これを無傷で日本まで持ち帰る自信は微妙にないが、
土産物は一期一会、買わずにはいられないときだって、あるものなのだ。


そしてお楽しみのスーパー見物。
以前、「スーパーマーケットマニア ヨーロッパ編」のレビューでも書いたが、
http://d.hatena.ne.jp/mike-cat/20040820
海外でのスーパーめぐりは、とっても楽しい。
GB(ジェーベー)とDelhaize(デレーズ)がグランプラス近くにあるので、行ってみる。
で、まずは手前のデレーズへ。ちなみにGBは何か汚かったのでパスした。


スパイスだとか、お菓子だとか、雑貨だとか…
まさかホテルで調理できないので、
生ものをあまり買えないのは非常に悔しいが、それでも楽しいものがたくさん。
で、あんまり買い込むと、間違いなく荷物が重くなる。
特にビン・カン類は最悪なんだが、そこらへんにこそ面白いものがあるのが難しい。
この後の旅程も考え、ごく控えめな買い物ですます。
お楽しみはサラダ用のスパイスミックス。帰国したら食べようっと。


もう帰り際には暗くなっているので、こんどはグランプラスの夜景。
天気で本当にこれだけ表情の変わる場所も珍しい。
雨に濡れ、反射する光というのも、本当にロマンチックだ。

そうそう、歩いていたら小便小僧の親戚、もうひとり見つけた。

見たまんまのゲロオトコ。何じゃこりゃ…


ディナーはやや野菜不足が気になりだしたので、ナチュラル派のデリEXKIにて。
にんじんとブラックペパーのポタージュ、クレソンのポタージュ、
にんじんサラダに、粒状パスタ(クスクスより大きい米サイズ)、
全粒粉パンにチーズと野菜挟んだサンドイッチなどをいただく。
B級グルメ全開だが、こういうのもまた楽し、だと思う。
アメリカとかでもいつも感心するが、
こういう普通のものが、日本で食べるのとやっぱり全然違う。
そりゃ、ディーン&デルーカとか行けば、そういう本場の味を味わえるが、
あそこで好き放題お総菜を買い込んだりしたら、
普通のフレンチで食事ができる値段になる。
本場ヨーロッパで、普通の値段で、本場の味というとこがミソなのだ。


ホテルに戻って荷物を開けたりなんかしていると、気づいたらいい時間。
時差ぼけそのものは別に大したことないのだが、
早起き&長歩きの疲れも手伝って、ものすごい眠気に襲われる。
大量に買い込んだお菓子をろくに消化しきれないまま、
お休みなさ〜い♪と相成ったのだった…