さあ、いよいよ初めてのヨーロッパ旅行、東京の実家から成田に向かう。

mike-cat2005-11-13



関空から行けばいいはずなのであるが、ネコさんたちのことがあるのだ。
ペットホテルは、たとえ病院のものでも基本的には避けたい。
あれ、ケージが犬とかの隣になったりしたら、かなりのストレスだ。
犬がキャンキャンやっている隣で、一晩とか、考えるものイヤ。
なら、ペットシッターということもあるのだが、それもいま一歩踏み込めない。
知人ならともかく、やはり赤の他人を家にいれるのは微妙なのだ。
かといって、関西に毎日都合のつく知人がいるでもなし。
結局、移動のストレスを受け入れてでも、
ネコにとって環境のいい実家、ということに落ち着いてしまう。


とはいえ、ネコにとっては災難でしかない。
前日はずうっとネコにギャアギャア言われながら東京へ新幹線の旅。
旅行前にけっこうパワーを吸い取られてしまうのだが、まあしかたない。
訳もわからずカゴに入れられ、騒がしい場所に連れ出される。
はた目に見れば、カゴの中に寝っ転がって文句たれてるだけだが、
やはり、当のネコにとってはものすごいストレスなんだろうと思う。


その疲れもあってか、惰眠を貪るネコたちにしばしの別れを告げ、空港へ。
今回は貯めに貯めたマイレージを使って、
自分の旅行ではもちろん初のビジネスクラス
会社の経費とかと違って、何だかとってもうれしかったりするのだ。
(いや、結局自腹じゃないといえば、自腹じゃないのだが)
飛行機に乗り込むべく、搭乗口に向かうと、
そこに待つのは何とポケモンジェットだったりする。
ろくに子供も乗らない成田−パリをポケモンジェットというのは、
いまいち理由がわからないが、まあ内装は普通なんでよしとする。


そうそう、フルフラットシートも、そういえば初めてだ。
しかし、体格があまり大きくないのと、もともと人間が安くできているせいか、
身体のはまりが悪く、どうにもいまいち寝心地がよくない。
マクラだけでも持ってくればよかったな、などと思いつつ、シートを上げ下げする。


機内上映では何と「トリビアの泉」とか「ベストヒットUSA特別版」などなど…
トリビアの泉」は何とあの名作、
サザエさんが追いかけていたどら猫がくわえていた魚は最大●キロの●●〟の回。
「よくもまあ、あんな重たいのを…」とにやけ笑いを浮かべ、グググと見入る。
いやあ、さぞかしキャビンアテンダントのお姉さんも、
気持ち悪いオトコね、などと思ってるだろうな、なんて気にしない。って気にしてるな…
しかし、2キロのカツオをくわえていくネコの姿には感心するばかりだ。
うちのへなちょこみけなんて、たぶんサンマとかすらたぶん…


「ベストヒットUSA」とかもついつい見入る。
シーラ・Eとか、ヴァン・ヘイレンとか、ティル・チューズデイとか、ザ・スミスとか…
僕の年代からすれば、もう涙もののセレクションで迫る。
たまらない、っていうか、もう全然旅行モードに入っていかない。
ついでに「ピングー」なんかみて、和んじゃったりする。寝ろよ、到着に備えて…


結局4、5時間寝ただけで到着。何だかもったいない感も残しながら到着。
えらくいいかげんな入国審査を経て(スタンプ押せよ! お楽しみなんだよ…)、
えらくあっけなく到着ゲートの外に出る。
タクシーに乗りましょ、とてくてく歩いていると、聞き慣れた名前が…
「成田よりご到着の●●●●さま〜」
あれ、わたし? 「何だよ、もう」とブツブツいいながら、受付へ。
到着ゲート内に戻るために、受付に声をかける。
問い合わせ後「関係者の出入り口使って、中へ戻れ」との指示。
警備員ゼロ、カギすらかかっていない、ユルユルのセキュリティを通り抜けて戻り、
地上係員のひとを見つけたら「ああ、よかったあ」と感激される。
その人が持っていたのは、何と僕の財布だったりする。


飛行機の座席に置いて、そのまんま出てきてしまったらしい。
以前もメキシコで空港カウンターに置き忘れ、
LAのレンタカーに置いたまま返却(withパスポート)などなど、
4ヵ国目(回数もっと…)のへま。
しかし、必ずあっという間に戻ってくるのは、強運?
いや、親切な方々に助けていただいたおかげだ。
全日空の石井さんを始め、どうもありがとうございました。
ちなみにこのへまで、
奥さまとの旅行中のパワーバランスは確定したことは言うまでもない。
いや、タクシー乗ってなくって、本当によかったっす。


で、ひと悶着を終え、渋滞を乗りこえ、ようやくホテルに到着する。
やっとヨーロッパ旅行っぽくなってきたな…
ルーブル美術館近くの〝HOTEL LOUVRE ST HONORE〟
メトロの最寄り駅はLouvre Rivoliの、いわゆるプチホテルというやつ。
ま、部屋はまあ、予想した通り、という感じだ。
文句を言うなら、初めから米系のチェーンホテルを使うべきなので、古さは気にしない。
ルーブル美術館(入口)まで徒歩5分の立地を考えれば、まあこんなもの。


ただ、カギが微妙に具合が悪い。
フロントのおっさんに言うと「簡単だ。ヒネって押すだけだ」
いや、それやっても空回りするから言ってるのに、「俺はここを離れられない」とほざく。
結局押し問答の末、怒り心頭で部屋の前に戻る。
エレベーター思いっきり蹴飛ばしたら、ヤツも罵声を浴びせおった。
結局、悪戦苦闘の末、ようやく部屋に入ることができる。
その後もそのフロントのおっさんとは冷戦状態だったが、ほかのフロントマンは普通。
ちなみにカギは次の日、何の断りもなくすぐ開くように直されていた。
だから始めっから「調子悪い」と言ったじゃネエか!
とまあ、あんまり色々な国でゴタゴタやってもしかたないので、これくらいで終了。
しかし、オランダ人もフランス人も韓国人もオーストラリア人もアメリカ人も中国人も、本当に謝らないね…


時刻は気づくと19時すぎ、気を取り直して観光へ。
一人旅だと、かなりいいかげんに街めぐりするだけだったのだが、
実は今回は奥さまとの遅めのハネムーンだったりするので、けっこうベタに観光する予定。
で、メトロ1号線に乗って、GeorgeⅤへ。「オー、シャンゼリゼ♪」とふざけながら、凱旋門へ向かう。
左に見えるルイ・ヴィトンがかなり奥さまの目を輝かせているが、とりあえずパス。
悠然とそびえる凱旋門にとりあえず感動しつつ、すぐ手前のPublicis Drugstoreをのぞく。
何か、おしゃれなストアらしい。
バー付の紀ノ国屋、みたいな感じ、といったら安っぽいか…


NYのディーン&デルーカほどに洗練はされていないけど、
いかにも、な感じのサンドイッチが並ぶ姿には、やっぱり感動する。
何でもいいから早く食べたい! という気持ちをこらえ、とりあえず店内スルー。
ガイドとかの写真で見るより、
バースペースがかなり雑然としていて、観光地っぽいのはやや↓か。
ま、凱旋門間近の店が、あんまりに洗練されているのもおかしいんで、まずは納得する。

で、凱旋門。すごいですな。バカみたいに口開けて見てしまった。
まあ、歴史的な由来だとか、うろ覚えだったりするのだが、
できた当時とか、さぞかし誇らしい気分だったことだろうな、
なんてガラにもなく思ってみる。
で、今度はCharles de Gaulle Etoileからメトロ6号線でTrocaderoへ向かう。
降りるとシャイヨー宮の真ん前に出る。
ここから見るエッフェル塔がたまらん、との話だった。

いや、すごいよ、ホント。
シャイヨー宮の真ん中から望む、ライトアップされたエッフェル塔は…
ちょっとした高台から、根元を気持ち見下ろす。そして、塔のてっぺんははるか上。
ある意味、もっともいい高さで見ることができるような気がする。
六本木ヒルズの坂から望む東京タワーが85点なら、こちらは95点。
何が基準かよくわからんが、せっかくエッフェル塔見るなら、間違いなくこのポイントだ、
と、ほかのポイントから見たことないくせに、心の中で決めつけてみる。


で、丘を降り、歩いてセーヌ川を越え、塔に向かう。だいたい徒歩7、8分。
高いところには登るのが鉄則、の僕としては当然展望台へ行く。
「007/美しき獲物たち(A VIEW TO A KILL)」などで見た、
斜めに登っていくエレベーターに感激しつつ、上昇していく。
ようやく展望台へ。
しかし、寒いのだ。シャレにならない。
凍えるような、ではなく凍える寒さに身を震わせ、写真だけ撮るのだが、
暗いわ、身体が震えるわ、で手ブレしまくり。
ろくな写真が撮れないので、風景を目に焼き付ける。


でも、初日から風邪を引いたら困るので、早々に引き上げ、地上階へ。
川べりの屋台でショコラ・ショーを買い、身体を温めつつメトロの駅へ。
こんどは9号線でFranklin D.Roosevelへ向かう。
で、ふたたびシャンゼリゼで夕ご飯、と思ったのだが、なかなかいいのが見つからない。
そうこうしているうちに凍えてきたので、結局デリカフェっぽいお店でサンドイッチ。
比較的普通っぽい野菜のサンドと、ハムとエメンタールチーズのサンドを購入。
さすが、どうでもいい店でもパリは美味しい、と訳のわからん納得をして、店を出る。
1号線で一つ手前のPalais Royal Musee du Louvreで下車し、散歩がてらホテルへ向かう。
今回は朝の早い移動も多いため、基本的には夜の部はなし。
翌日にそなえ、早め(といっても午前2時前だが)に眠ったのだった。