思わず脱力、何じゃこりゃ系ねこマンガ
何ですかね、これは…
新聞の書評でたまたま見かけ、ネットで取り寄せてみたのだが、何ともいえない感触。
まずはこのへなちょこ絵に、思わず脱力する。
やる気ない。それもうちのネコなみに…
ま、ある意味ネコの本質をとらえている絵でもあるな、と感心もする。
しかし、読んでみるとこの主人公「猫村ねこ」はおよそ猫らしくない。
この猫村さん、何と家政婦なのだ。
かつて飼われていた家では、ぼうやのお守りをしていたらしい。
料理に洗濯、おそうじにいたるまで(いいなあ…)、
坊ちゃんの世話をしていたため、家事労働スキルはなぜかプロなみ。
この役に立つネコ、ってネコとしてどうかな、と思ったりする。
ただ、役立たずこそ、ネコのネコたる由縁というか、
何の役にも立たないからこそ、ネコのよさ、という気もするので、
何だか違和感を感じずにはいられない。
で、猫村さん。
坊ちゃんの両親の離婚がきっかけで、
坊ちゃんは海外へ移住することになり、その家を去ることとなった。
いまは家政婦事務所に登録し、お金持ちの犬神家へ家政婦に出向く毎日。
で、この猫村さん、猫のクセにやたらとおせっかい。
長女の中学生オニコちゃんがぐれちゃった犬神家の家庭崩壊を黙って見てられない。
「家政婦は見た!」よろしく、オニコちゃんに積極的に関わっていく。
興味津々、というあたりはいかにも猫らしいんだが、
猫、ふつう努力はしないぞ、と思わず突っ込みたくなる。
端的に言うと、ビジュアルこそネコの猫村さんだが、中身は単なるオバさんだったりする。
市原悦子ほど鬱陶しくないけど、かなり微妙な存在かも。
これが人間だったら、と考えて行動をいちいち検証していくと、かなりウザい。
それでも、そういうよぶんなことを考えずに、素直にだらだら読めば、
たまにネコらしい行動が描かれたりして、何となく脱力はしてしまう。
それなりにほのぼのとはしてるし、まあ悪くはない。
面白いか、といわれると1200円とか出して買ってまで…、の感はややアリ。
この〝きょうの猫村さん〟。
実はケーブルインターネットのサイトで、一日一コマ更新らしい。
ううん、それもかなり微妙だな。毎日チェックするの、超ウザい。
しかし、何となく気になる感覚は理解できるだけに、
ひと言では斬り捨てられない不思議な感じもしたりする。
とりあえず、「きょうの猫村さん2」を買うのか、買わないか…。
それもかなり微妙な感じだな、と思うのだった。