梅田ブルク7で「50回目のファースト・キス」。

mike-cat2005-06-28



原題の〝50 FIRST DATES〟の方が、
やっぱり内容的に正確だと思うけど、ま、よしとする。
相も変わらず、日本国内では冷たい扱いのアダム・サンドラー作品。
ちなみに、この劇場では2週間で終了。ま、公開しただけだけまし?
ウェディング・シンガー [DVD]」「ウォーターボーイ [DVD]」の頃からのファンとしては、
ホントいつになったら…、と忸怩たる思いなのだが、なかなかブレイクしない。
面白いんだけどなぁ…。
確かに、あのオツム足りない系演技が生理的に嫌い、というヒトもいるのだろうけど。
ジャック・ニコルソンと共演した「N.Y.式ハッピー・セラピー コレクターズ・エディション [DVD]」、
ポール・トーマス・アンダーソン監督作「パンチドランク・ラブ DTSエディション [DVD]
とかでもわかるように、
笑わせるだけでなく、意外に演技は繊細だし、
才能的な評価も、あちらではかなり高い(はず)。
食わず嫌いせずに、一回観てもらえれば、とつくづく思うのだが…
ウェディング・シンガー [DVD] ウォーターボーイ [DVD] N.Y.式ハッピー・セラピー コレクターズ・エディション [DVD] パンチドランク・ラブ DTSエディション [DVD]


映画は「ウェディング・シンガー [DVD]」以来となる、
アダム・サンドラーと土流、じゃなかったドリュー・バリモアのリユニオン。
多少気恥ずかしいくらい、甘〜いムードと、
キッツい毒とバカバカしさに満ちた、ロマンチック・コメディだ。
ちなみに「ウェディング・シンガー」と同じといえば、テイストはほとんど同じ。
比べてみるとすれば、
ロマンチック度    プラスマイナス0
かわいい動物度   プラス1
バカバカしさ      プラスマイナス0
ドリューの魅力    マイナス1
ストーリー凝ってる度 プラス1     という感じかな。
まあ、トンプソン・ツインズ「ホールド・ミー・ナウ」とか、
ブライアン・フェリー「スレイヴ・トゥ・ラヴ」、
スパンダー・バレエ「トゥルー」(土流さんの超定番音楽ですね…)など、
80年代MTV世代にはたまらない音楽も、「ウェディング〜」ほどじゃないが、ガンガンかかる。


ストーリーは、純愛版「メメント [DVD]」?
それとも、コメディ版「エターナル・サンシャイン DTSスペシャル・エディション [DVD]」ってところだろうか。
交通事故のため、記憶が一日しか保たないルーシー=ドリュー・バリモア
父と弟の必死の努力で、
事故の前の一日を〝毎日〟繰り返すことで、辛い記憶から守られている。
水族館で獣医を務めるヘンリー=アダム・サンドラーは、
ある日ダイナーで出会ったルーシーに一目ぼれするが…
まあ「メメント」以前なら、それなりにオリジナリティも評価されようが、
いまとなっては、ありふれた、という言葉を使われてもしかたのない話だ。


だが、そのありふれた話が、
サンドラー一流のベタなギャグと、時折見せる繊細な演技、
そしてドリュー・バリモアの魅力(好みはあろうが…)で味つけすると、
とってもキュートで、ハートウォーミングな作品に仕上がる
(これまた、好みはあろうが…)。
サンドラー自身は、コメディ演技はやや抑えめ。
もっぱら、突拍子もない行動で笑わせてくれるのは、
ルーシーの弟ダグ=ショーン・アスティン(「ロード・オブ・ザ・リング」のサム)と、
ヘンリーの悪友ウーラ=ロブ・シュナイダー(サンドラーとの共演多数)だ。
もう、かなり悪ノリしてる。
特にアスティンは、かなりヤっちゃってる。サムのイメージ全然なし、かも…
ただ、この二人の頑張りもあって、映画全体のバランスは悪くない。
セイウチとペンギンちゃんのおまけもなかなかいい感じだ。
「ウェディング〜」ほど泣かせる
(僕はビリー・アイドルの場面で泣いた)ワケじゃないが、
かなりの強度で胸にキューンと迫り、涙腺はゆるむ。


監督は「ナッティ・プロフェッサー2」
「N.Y.式ハッピー・セラピー」のピーター・シーガル
あのZAZ(デービッド&ジェリー・ザッカージム・エイブラハムズ)の傑作、
フランク・ドレビン警部のシリーズ第3弾、
裸の銃(ガン)を持つ男PART33 1/3/最後の侮辱」
がデビュー作という、かなりベタなコメディ畑のヒト。
やや手堅いかな、と思う部分もあるけど、その分俳優の味が出ていていいのかな、と。
脚本はこの作品がデビューのジョージ・ウィング
サンドラーが発掘した人物なんだろうか、それともドリューだろうか。
プロデューサーとしての手腕はどちらも定評あるからなぁ、と勝手に感心してみたりする。
(ドリューは名作「ドニー・ダーコ」を世に送り出しただけでも、もう素晴らしい)


ま、そういうオタクっぽいことは抜きにしても、
単純に肩の力を抜いて、笑って泣いて、キュンとくる映画。
記憶を失うつらさは、本人の方が辛いのか、それとも恋人の方が辛いのか、
ちょっと考えさせられたりもするから、そうバカ映画丸出し、というわけでもない。
終わっちゃう前に、もっと多くのヒトにぜひ観て欲しい映画なのだが、
こういう望みが叶う日は、いつ来るのだろうか…
かといって、この映画を超満員の劇場で観るのも、ちょいと微妙な気はしたりする、
まったくもって根性曲がりな自分に、愕然としたりもするのだった。

追加♪
サンドラーにドリュー、ともに製作にクレジットがないことに気付いた…
褒めちぎっておいてなんなんだが…