敷島シネポップで「ナショナル・トレジャー」

mike-cat2005-03-20



もっと無思考ドカンドカン・アクション系かと思っていたが、
けっこう頑張って正統派のトレジャーハンターものやってる。
テンプル騎士団から、アメリカ建国の祖に渡った秘宝を
探そうって言うんだから、そこらへんを突いちゃったり、
細かいストーリーの破綻とか、いちいち指摘していったら、
確かにいくらでもあるんだろうけど、
かなりウェルメイドなアドベンチャー映画じゃないだろうか。


「レイダース」とまでいうつもりは毛頭ないが、
その後のインディもの程度にはイケてるんじゃないか、と。
少なくとも「トゥームレイダー」とか、問題にならない。
もちろん、派手さには欠ける面もあるので、
ストーリーが平坦だ、と感じる人もいるだろうし、
インパクト的にはやや弱い気もするんだが、
スーパーナチュラルな要素に頼らなかった部分は評価できる。
近く映画化予定の「ダ・ヴィンチ・コード」を先取りした感じ?
まあ、たぶん時代考証の確かさとか、かなり格差があるんだろうけど、
ひとつ間違ったら、どうにも破綻するような荒唐無稽なストーリーを、
監督のジョン・タートルトーブが、うまくまとめ上げていると思う。


クール・ランニング」「あなたが寝てる間に」「フェノミナン」と、
ハートウォーミング系のいい映画を撮ってる人だが、
このテの映画はどうなの、と不安もあった。でも、まさに杞憂。
謎解きもネチっこくない程度に濃ゆく描いてるし、
かといってアクション場面がダレるわけでもない。
ニコラス・ケイジの相棒役を演じた新鋭、ジャスティン・バーサを便利に使って、
軽妙な感じのノリもうまいこと出せてるし、僕的にはかなりポイント高。
ワシントンD.C.、フィラデルフィアを舞台に、
アメリカ建国のナゾに迫る、っていうのも、そそる設定だし、
その舞台を上手に使って、観光ガイド的にも楽しめるんじゃないかと。


キャスト的には、ニコラス・ケイジはマル。
この人がやると、けっこう超人的な活躍してても、かえって違和感がない。
ちなみに僕は「ザ・ロック」から「リービング・ラスベガス」に至るまで大好きだ。
しかし、以前日本でパチンコのCM出てたな。
「トロイ」ダイアン・クルーガーのヒロインも、気が強そうな感じでいい。
最初のアイメイクにはちょっと引いたが、
その後どんどん綺麗になっていくあたりは、「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」の
ケイト・キャプショーを思わせたりする。
そして、さっきも書いたが、お笑い担当の相棒ジャスティン・バーサは、掘り出し物。
このテのお調子者キャラをできる俳優は、意外と少ない。


ほかのキャストもすごいんだが、なかなかいい感じに使えてると思う。
トレジャーハントのショーン・ビーンは、ちょっと間抜け感も強いが、
この映画の全体的なトーンからすると、うまく馴染んでる。
ケイジの父親役、ジョン・ヴォイトはすっとぼけた感じがうまく出てたし、
祖父役のクリストファー・プラマーも、短い出演で存在感あり、だった。
ちょいともの足りないのは、FBI役のハーヴェイ・カイテルかな。
この人の貫録からすると、もうちょっと釣り合いが取れていないかも。
まあ、最後でちょいとニヤリとさせてもらったんで、よしとしたい。


退屈することなく、131分をフルに楽しめる作品。
ミステリーの要素を求める向きには、簡単すぎるだろうけど、
流れに身を任せて、ふむふむと楽しむのもたまにはよいのでは。
僕的には、アドベンチャー映画がもっと観たい! という気持ちが湧く。
系統的にはよりウンチク度が高まる「ダ・ヴィンチ・コード」が楽しみだ。
どんな感じでくるのか。ああ、不安もあるけど、早く観たい!!