ヴァージンシネマズ六本木にて「ステップフォード・ワイフ」

こちらはお勧め♪



髪を切ってリフレッシュし、本日公開二本立てに臨む。
ロッド巻いてる最中に居眠りしてたから、元気だよ♪
というわけで映画。
いかにもアンドロイドっぽいニコール・キッドマンが出てくる、
なかななかの出来の予告観た時から期待は高かったが、
監督のフランク・オズに微妙な不安も覚えていたりした。
だって「イン&アウト」とか、面白かったのにどこかまとまりに欠けてたし…


しかし、そんなことはまるっきり杞憂だった。
洗練されたユーモアで勝負するのか、ベタな笑いでいくのか、
一番最初はちょっと戸惑ったが、
クビを宣告された辣腕ディレクター、ニコールが解雇された時の表情で納得した。
ベタベタのコメディで行くぞ、ということで。


この選択は、すごく正しかったと思う。
あらすじ的には、コネティカットのオールドファッションな町に越してきた夫妻。
古き良き時代(WASPにとって、のみではあるが)を思わせるその町には、
従順で家庭的な妻が、夫に傅く、理想郷(ま、一部の男にだけね)があった。
しかし、その町には、ある秘密があったのだった。
まあ、女性の自立に怯える男が、従順な妻ばかりの理想郷に…みたいな話は、
アイラ・レヴィンが原作を書いた972年なら、洗練された社会風刺だろうが、
いまの時代なら、常識的にはかなりベタなコメディとなる。
もちろん、どっかのテキサスのボンボンがインチキで大統領やって、
保守反動の動きが出てきている現在だと、また微妙な感はあるが…。


そうそう、時代性で思い出すのは、
ゲイのロジャー(パートナーは男っぽいゲイ)がなかなかいい味を出しているんだが、
これも30年前ならいないキャラクターなんだろう。
いまの時代、ある意味誰よりも発展したジェンダーかもしれないし。
しかし、共和党のゲイってホントにいるの? 笑ってしまった。
ちなみに、彼のワードローブに関連したギャグとか、かなり笑える。


細かい設定の甘さとかは、ベタなコメディなんで目をつぶっていいと思う。
単純に、笑って笑って93分。
キッドマンもヘンな気取りは見せず、
喜々としてコメディエンヌを貫いてるから、素直に笑える。
ベッド・ミドラーとか、ジョン・ロビッツあたりの名優の演技も最高に楽しい。
ついでにチョイ役で〝This Kiss〟とかで知られるアーティスト、フェイス・ヒルも。
物語のカギを握るクリストファー・ウォーケングレン・クローズもいい味出してる。
ウォーケンは「タイムトラベラー/きのうから来た恋人」とかでも思ったが、
かなりコメディ・センスあると思う。
グレン・クローズも然り。この人も、本当に笑わせてくれる。


フランク・オズの演出も、細かいこと気にするより、
テンポと笑いを重視した演出(脚本がそうなのかも…)に徹したおかげで、
鑑賞時間をとにかく楽しく過ごせる映画に仕上がっている。
いろいろ社会風刺的な部分を考え始めるとキリはないんだけど、
うまいこと笑い飛ばせる感じの仕上げになっているので、
まあ、それは見終わってから考えればいいや、って感じに受け流せるのだ。


そうそう、ロボットわんこがムチャクチャかわいいのも加点要素♪
ジンジャーブレッドみたいな感じのこれ、商品化したらけっこういけるかも。
きのうの「Ray」もそうだが、こちらもぜひお勧めの映画だ。