ベスト映画2004!
というわけで、ことしのマイベスト、映画編。
いま、映画日記のデータベースで観たら115本。
昨年比だいたい20本ほどダウン。
ううん、目安にしてる、一カ月10本を下回ってしまった。
やっぱり11月以降は多忙で観るペースがた落ちだったからな…。
まずは、ざっと振り返ってみるとする。
■1月
「ハリウッド的殺人事件」
「悪霊喰」
「しあわせな孤独」
「バレット・モンク」
「9000マイルの約束」
「ミスティック・リバー」
「シービスケット」
「リクルート」
「25時」
□ハリソン・フォード、ジョシュ・ハートネットの「ハリウッド的〜」が面白かった。
フォード演じる副業に熱心なええかげん刑事が、かなりナイス♪
「ミスティック・リバー」は、ルヘインの小説のテイストにはかなわないけど、
ショーン・ペン、ティム・ロビンスの哀切極まる演技にシビれた。
エドワード・ノートンの「25時」は、テンポ悪く、やや期待外れだったかも…
■2月
「アップタウン・ガールズ」
「アドルフの画集」
「マスター・アンド・コマンダー」
「ニューオーリンズ・トライアル」
「ゴシカ」
「ドッグヴィル」
「幸せになるためのイタリア語講座」
「ラブ・アクチュアリー」
「コンフィデンス」
「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」
「クリビアにおまかせ」
「グッバイ、レーニン」
□グリシャムの原作も面白かった「ニューオーリンズ〜」はなかなかの佳作。
大好きなレイチェル・ワイズも出てて、個人的にもポイント高。
ニコール・キッドマン主演の「ドッグヴィル」は、ラース・フォン・トリアーの
人非人ぶりが際立つ怪作。でも、「奇跡の海」より救いはあるかも。
期待値高かった「グッバイ〜」は、微妙にまとまり悪く、ちょっとがっかり。
■3月
「ペイチェック」
「女王フアナ」
「カルメン」
「テキサス・チェーンソー」
「N.Y.式ハッピーセラピー」
「エレファント」
「きょうのできごと」
「悪い男」
「ルーニー・テューンズ:バック・イン・アクション」
「花とアリス」
「アンデッド」
「レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード」
□サンドラー&ニコルソンの「N.Y.式〜」は、期待通りの笑える映画。
何で日本人はサンドラー嫌いなの? 面白いのに…
ガス・ヴァン・サントの「エレファント」は心に突き刺さる痛さだった。
韓国の恋愛映画「悪い男」は、何ともいえない味わいだった。
■4月
「Re:プレイ」
「殺人の追憶」
「グッド・ガール」
「キル・ビル2」
「イン・ザ・カット」
「ロスト・イン・トランスレーション」
「真珠の耳飾りの少女」
「純愛中毒」
「スパニッシュ・アパートメント」
「ドラムライン」
「ディボース・ショウ」
「ソニー」
「ピーター・パン」
□ソフィア・コッポラ監督の国辱映画「ロスト・イン〜」は、
僕が日本人じゃなければ面白かったかも。
同じスカーレット・ヨハンスン主演の「真珠の〜」は、いい感じの格調あり。
ベスト映画候補に挙げたいのは、コーエン兄弟の「ディボース〜」と、
マーチングバンド版のスポ根映画「ドラムライン」。
「ディボース〜」は、コーエン兄弟にしては〝普通〟っぽいけど、
そこかしこに漂う〝ヘンさ〟が強烈に笑える。
「ドラムライン」は定番&王道のスポ根だけど、丁寧な作りと、音楽センスが◎。
■5月
「ル・ディボース/パリに恋して」
「スクール・オブ・ロック」
「スイミング・プール」
「フォーチュン・クッキー」
「ビッグ・フィッシュ」
「パッション・オブ・クライスト」
「ホーンテッド・マンション」
「キッチン・ストーリー」
「コールド・マウンテン」
「ドーン・オブ・ザ・デッド」
□キッドマン、ゼルウィガーの「コールド〜」、ティム・バートンの「ビッグ〜」は、
ともに意外に期待外れ。何となく散漫というか、泣ききれなかった。
けっこう掘り出し物が、ジェイミー・リー・カーティス、リンゼイ・ローハンの親子入れ替わりコメディ「フォーチュン〜」。かなり笑えるいい作品。
ジャック・ブラックの「スクール・オブ・ロック」も、もちろん最高に笑える一本だ。
ジェームズ・アイヴォリー監督の「ル・ディボース〜」と
フランソワ・オゾン監督の「スイミング・プール」はともにセンスを感じる佳作。
ちなみに、「ドーン〜」はすごく好きな映画。
旧作にあった消費社会を告発するようなメッセージ性はなくとも、
とにかくシビれる迫力、スピード感。これぞエンタテイメント、って感じだ。
■6月
「ヴェロニカ・ゲリン」
「あなたにも書ける恋愛小説」
「スターシップ・トルゥーパーズ」
「シルミド」
「レディ・キラーズ」
「下妻物語」
「スパン」
「デイ・アフター・トゥモロー」
「21グラム」
□「ヴェロニカ〜」はジョエル・シュマッカー監督とは思えない佳作。
ジョナス・アカーランド監督の「スパン」は、印象深い一本。今後の期待高い。
ベスト候補は「21グラム」だ。慟哭のレベルまで泣かせる希有な作品だと思う。
人間が死ぬ時に失う、ほんの21グラム、の重みが、肩に、体にのしかかった。
俳優陣も、キャスト、演技どれをとっても、とにかく素晴らしかったと思う。
ショーン・ペンしかり、ナオミ・ワッツしかり、ベニチオ・デル・トロしかり。
大傑作「アモーレス・ペロス」のイニャリトゥ監督らしい、脊髄に響く一本だった。
■7月
「アメリカン・スプレンダー」
「テッセラクト」
「ベジャール、バレエ、リュミエール」
「茶の味」
「箪笥」
※「ゴッドファーザーデジタルリマスター版」
「スパイダーマン2」
「ブラザーフッド」
「シュレック2」
□〝ことし公開〟のカテゴリーに入れてはいけないんだが、やっぱり「ゴッドファーザー」はすごい。面白すぎ。
何回観てもドスンと響くこの衝撃は、ホントすごいのひとことだ。
期待の「シュレック2」はきちんと高水準保ったいい映画だったけど、
ことしのベストに挙げるのは、微妙に悩ましいところかな。
■8月
「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」
「ヴァン・ヘルシング」
「ドット・ジ・アイ」
「天国の青い蝶」
「ドリーマーズ」
「華氏911」
「誰も知らない」
「サンダ−バード」
「ステップ・イントゥ・リキッド」
「ディープ・ブルー」
「堕天使のパスポート」
「マッハ!」
「16歳の合衆国」
「リディック」
「モナリザ・スマイル」
□この月は「誰も知らない」「華氏911」がやはり群を抜いている。
「誰も知らない」は、切なくって、やるせなくって…。
これも慟哭のレベルまで感情を突き動かされる映画だった。
「華氏911」は、ブッシュ再選を経てしまうと、やや色褪せる感ありかな。
ヒューヒュー主演「ヴァン〜」は、面白かったけど、ラストに不満も…
■9月
「テイキング・ライブス」
「デビルズ・バックボーン」
「世界でいちばん不運で幸せな私」
「アイ,ロボット」
「ヴィレッジ」
「モンスター」
「CODE 46」
「セックス調査団」
「バイオハザード2」
□哲学的なテーマを取り上げた近未来SFって、けっこう難しいと思うけど、
「CODE46」はその難しさを克服しきれなかった感がある。
ティム・ロビンス、サマンサ・モートン主演なのに、なんかもったいなかった。
単純明快に面白かったのは「バイオ〜」。
スピード感もあるし、ミラ・ジョヴォビッチ最高って感じで、とにかく楽しめた。
「アイ,ロボット」も期待してなかったから、意外な掘り出し物。
しかし、ウィル・スミスはホント、じょうぶだね。
「世界でいちばん〜」もかわいくて思い出に残りそうな映画だったかも
■10月
「スクービー・ドゥー2」
「珈琲時光」
「ツイステッド」
「最‘狂’絶叫計画」
「モーターサイクル・ダイアリーズ」
「恋の門」
「靴に恋して」
「ガーフィールド」
「オーバードライヴ」
「ヘルボーイ」
□単純明快面白かったシリーズは「スクービー〜」。
こういうのお好きなヒトが作ってるのが伝わってくる、良質の娯楽作品だと思う。
ガエル・ガルシア・ベルナル主演の「モーターサイクル〜」はいい映画だったな。
チェ・ゲバラというと、やや手あかのついた素材だけど、
過剰な政治色を出さずに、うまく物語にまとまっていたと思う。
■11月
「スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー」
「SAW」
「オールド・ボーイ」
「イブラヒムおじさんとコーランの花たち」
□たった4本でいうのも何だが、「イブラヒム〜」は文句なしのベスト候補。
イスラム教を取り上げてはいるが、テーマは〝宗教〟ではなく〝信仰〟。
音楽や雰囲気も抜群のセンスだし、主人公の成長譚としても、優れた映画だ。
■12月
「スーパーサイズ・ミー」
「ジャッカス・ザ・ムービー」
「Mr.インクレディブル」
「バッド・サンタ」
□「ターミナル」とか「エイリアンVSプレデター」とか見逃しているけど、
「インクレディブル」は何とか抑えられたので、ひと安心。
アニメだから、という偏見にとらわれず、正当に評価すれば、
堂々のベスト候補じゃないかと思う。
ああ、「ハウルの動く城」は2月くらいにヒトが空いたら観る予定…
異色作「スーパーサイズ〜」「ジャッカス〜」はともに見逃せない1本だけど、
強烈すぎて、評価は微妙な面もあるかな。特に「ジャッカス」バカすぎだし…
ビリー・ボブ・ソーントンの型破りサンタ、「バッド・サンタ」はけっこう好み。
ベスト候補に入れるのは微妙だけど、期待通りこころに響く映画だった。
こうして振り返ると、「ゴッドファーザー」を除けば、
数年に1本、という100点満点の絶対的な傑作には欠けてたかも。
もちろん、観る時の精神状態とかも影響するから、
またもう一回観たら評価変わるかもしれないけど、
やっぱり映画って、出会いのものだから、
最初に劇場で観た印象って大事だと思うので、これでよしとしちゃう。
で、ランキングを無理やり決めとこう。
1 「21グラム」
2 「誰も知らない」
3 「ディボース・ショウ」
4 「イブラヒムおじさんとコーランの花たち」
5 「ドラムライン」
6 「ドーン・オブ・ザ・デッド」
7 「Mr.インクレディブル」
8 「N.Y.式ハッピーセラピー」
9 「スイミング・プール」
10「華氏911」
次点「スーパーサイズ・ミー」
1、2位がほんと微妙な差だった。慟哭のシーンのモチーフが
「ナオミ・ワッツのおっぱいぽろり」と「アポロチョコレート」だったりするのだが、
別におっぱいを評価したというわけでない。
映画全体のスケールの大きさで「21グラム」を選んだ、という感じだ。
で、3−6位もこれまた微妙だった。どの映画も大満足だったんだが、
「あとほんのちょっと、ここを…」的な部分が残ったのが、上位2作品との差。
この中の順位については、何となく、としかいいようがないけど、
「ディボース〜」がいちばん、完成度は高かったかな、という感じで3位。
7−9位も僅差の勝負だった。
決め手は、やっぱり映画としてのまとまりのよさだろうか。
下の順位の映画が、まとまりに欠けるわけではないが、
上位の方が微妙にまとまりのよさを感じた、という単なる主観。
「華氏911」の10位は、やはりブッシュ再選が足を引っ張った。
ブッシュを引きずり降ろしてれば、ベスト5入りしてたのに…
「スーパーサイズ・ミー」は悩んだけど、ゲロが気持ち悪かったので、
ベスト10から落っことしちゃった…。
あれは吐いてるトコだけ映してくれれば、十分伝わるのにな、なんて…
以上、ことしの映画総括。
大阪の方々には申し訳ない言い方になるが、
こちらに移ってしまったことで、映画環境は正直東京よりはきっつい…。
映画館は少ないし、小さいし、公開も遅いし、公開本数も少ない。
まあ、京都、神戸も含めれば観られないことはないんだろうけど…
でも、来年も何とか、これくらいは観たいな、というのが目標。
もっともっと、映画で夢を観たいし、笑いたいし、泣きたいな、ということで、
ことしの締めくくりとしちゃう。
とかいって、大みそか観に行ったりしかねないだけどね。
そうそう、積み残し!
「ターミナル」「エイリアンVSプレデター」
「ハウルの動く城」「マイ・ボディガード」。ううむ、けっこうあるな。
関西では「シルヴィア」とか「恋に落ちる確率」「ホワイト・ライズ」は、
ちょいと遅い公開みたい…