新宿松竹会館で「スクービー・ドゥー2/モンスターパニック 」

ぜひ、観てやって下さい



これまでのモンスター退治の偉業を讃えるべく、
クールソニアン博物館に特別展示されることになったミステリー社。
だが、そのお披露目の席が、モンスターの登場でメッチャクチャ。
シャギーとスクービーの失態に、意地悪な報道リポーターの登場で
ミステリー社の評判はがた落ち。面目躍如に、シャギー、スクービーが立ち上がる。


劇場は、日曜日の夕方の回なのに、10人くらい…。
みなさん、こういうのお嫌い?
いや、空いててうれしいのも確かなんだけど、納得いかない。
これ、けっこういい映画だと思う。
感動ドラマや芸術映画、本格アクションだけが映画じゃない。
お気楽に楽しむことが前提なのは確かだが、
ウェルメイドな作品であることは、間違いない。


子どもの頃、東京12チャンネルで「弱虫クルッパー」楽しんだクチなんで、
その部分の思い入れも、否定はしない。
さらに、ハンナ、バーベラの作品のファンなもので、
「チキチキマシーン猛レース」どころか「怪獣王ターガン」あたりでも、
映画化されたら間違いなく観に行くんだろうとは思う。
あの、ドタバタのテイストそのものが好きなんだと思う。
だから、ちょっとは採点甘くなってるかも知れない。


それでも、だ。やっぱり、この映画、クールだと思う。
この映画は〝1〟もそうだったけど、
製作側の思い入れが伝わってくる、〝本気の作品〟だ。
アニメのあのドタバタ感が、見事に再現されてるし、
それでいて、アニメでは出せないスケール感もしっかり実現させた。


キャストだって、やや落ち目感漂うフレッド=フレディ・プリンゼJrとかはともかく、
ダフネ=サラ・ミシェル・ゲラー、ヴェルマ=リンダ・カルデリーニは雰囲気出てる。
ゲストも悪くない。セス・グリーン(「オースティン・パワーズ」シリーズ)に、
ティム・ブレイク・ネルソン(「オー! ブラザー」)、アリシア・シルヴァーストーン(ま、落ち目だけど)。
だが、この映画を成功たらしめているのは、
何よりも、シャギーのマシュー・リラードの存在だろう。


そりゃ、アホしゃべりとか、嫌いな人もいると思う。演技派ではない。だけど、
これだけ、ドタバタ感をきっちり(ヘンな表現なんだけど)表現できる俳優、そうはいない。
それに、「スクリーム」でスキート・ウールリッチとバカやってた時も思ったけど、
白人のバカ青年演じさせたら、こんな雰囲気持ってる人、これまたいない。
CGのスクービーとまともに渡り合って、〝カトゥーン〟の登場人物になってる。


スクービーのCGも、〝1〟に比べて格段に、それっぽくなってる。
それっぽく、っていうのは、
〝カトゥーン〟と、現実の生きもののバランスを取り持つ、微妙なさじ加減。
ガーフィールド」の時には、「微妙」と書いたけど、
http://d.hatena.ne.jp/mike-cat/20041011
本編観て、考え変わった。いい「さじ加減」になったと思う。
潤んだ瞳とかも、ちょいキモかった前作からは大きく改善した。
動きもすごくスラップスティックな感じがうまく出てる。
ダンスもすんごいかわいかったし。
ますますさえるマシュー・リラードとスクービーのおかげで、
「お約束」っぽい、カトゥーンならではの動きは、ますます笑えるものになった。


終わって、何が残るか、とか人生を考える、とかは、まったく何もない。
強いて言うなら、ドラマの中でヴェルマがシャギーたちにいう台詞。
「あなたたちがうらやましい。自然なままに怖がって、食い意地はらせて…」。
ものは言いよう、というのを、笑いながら実感、ってトコかも。
でも、「肩の力抜いて、思いっきり楽しんで下さい」は伝わってきた。
よくできたテーマパークを思わせる90分余。これ、けっこう大事。
少なくとも、僕は満足。シンプルに、楽しかった。