「ガーフィールド」のさじ加減

ポスターはなかなか出来がいいかも

AMCキャナルシティ13で「ガーフィールド」。
何観てるんだ、とはいわないで…
ある事情があって、以前かなりやばいレベルのコレクターだった。
ぬいぐるみ、着ぐるみから、フィギュア、雑貨まで1300か1400点くらい持ってた。
3LDKの2部屋と、ロフトまるまる展示スペースに使ってたくらい。
つぎ込んだ総額は不明だけど、たぶん数百万(それも5以上間違いなし)。
あ、でももう処分済み。コレクター仲間にお譲りした。
そんな事情もあって、このキャラクターにはけっこう思い入れがあった。


ストーリーはけっこう単純。ジョン(ブレッキン・メイヤー)とともに暮らす、
デブで、怠惰なネコ、ガーフィールド
ある日家族の一員となった犬のオーディをめぐり、ひと騒動。
迷子になったオーディを探して、ガーフィールドの冒険が始まる。
少なくとも全世界で1000回くらい作られてるストーリーだ。
別に、こういう映画にオリジナリティを求める気ないから、いいんだけど。


じゃ、何がポイントかといえば、やっぱりガーフィールドのCGだ。
しかし、このCGキャラクター、なかなか難しい。
近々続編公開予定の「スクービー・ドゥー」とかも、かなりスクービー微妙。
もちろん、原作に忠実に、という部分は伝わってくるけど、
ハンナ・バーベラのアニメとは、ある程度切り離したデザインになっている。
そこらへんは、アメコミヒーローなんかと同じだ。
実写と組み合わせるから、
「ロジャー・ラビット」「スペース・ジャム」みたいなアプローチも取れないし。
微妙に現実感を持たせ、でも原作のテイストを損なわない。
そのさじ加減が、メジャーになればなるほど難しくなってくる。
ちなみに原作こんな感じ。微妙でしょ?

Garfield's Guide to Everything

Garfield's Guide to Everything

これでさらに、動きが加わるんだから、つくづく大変。
と思いきや、こうしてどんどん作られるんだから、
やっぱりそれなりの興収見込めるんだろうな。
新しいキャラクター作るより、もともとのファン層取り込めるし。


ちなみにガーフィールド、かわいさ的にはやっぱり微妙、というか、
原作のイメージと懸け離れている気もするけど、動きのCGはすごい。
高いところから降りるときに、プリプリおしり振ってから降りるトコとか、
かなりリアルだし。ほかのリアル動物たちのアニマトロニクスもすごい。
残念ながら、垂れたおなかはうちのネコの方が上だったけどね。
うちのコはホントに地面スレスレだから。って、全然自慢になってない。


映画の出来ですな…。まあ「こんなもんじゃないの」よりはちょっと上。
「ラット・レース」「ロード・トリップ」のボンクラ、ブレッキン・メイヤーは相変わらず軽妙だし、
ジェニファー・ラブ・ヒューイットスティーヴン・トボロウスキーほか共演陣まずまず。
ボロウスキーは「90年代もっともよく〝見かけた〟俳優」のベスト9。
ちなみに「メメント」の回想シーンに出てくる健忘症患者役など。
声の出演は「ロスト・イン・トランスレーションビル・マーレイ
「アニバーサリーの夜に」アラン・カミング、「ドラムラインニック・キャノン
軽い気持ちで観る映画としては、けっこう豪華だと思う。
動物たちもかわいかった。動物好きなら、間違いなく泣くシーンもあるし。
せりふ回しとかも、けっこう楽しかった。


ただ、気になったこと2点。
チラシやパンフなど、国内のプロモーションにビル・マーレイの名前が一切出てこない。
権利関係だろうか? 映画のオープニングでけっこう驚いた。
というか、この映画のキモっていってもいいんじゃないか?
日本版は藤井隆、というのも「マシュー南」ファンとしては悪く思わないが、
ビル・マーレイガーフィールド、ってのは日本国内の評価は別として、
一切の名前を出さないようにしてるのは、奇妙にしか思えない。
ロスト・イン・トランスレーション」での藤井隆との共演で、何かあったのかな?


もう1点は、いわゆるジェニラブ。なんか、アイメイクきつすぎ。
終わりかけてませんか? ジェニラブ。
もちろん、「サンフランシスコの空の下」「ラストサマー」と代表作はあるけど、
その後の展開、あまりにしょぼい。
「ハートブレイカー」とか悪くなかったけど、B級以外の何ものでもないし。
けっこう好きな女優さんだったので、心配になってしまう。
僕が心配だか、どうかって、ジェニラブ的にはまったくどうでもいいんだろうけど。