ロボットだって、考えてる

ウィル君は今回もスーパーマン

2週連続で、幕張シネプレックスの先行ロードショー観てしまった。
何か、幕張に根ざした生活になってる。ううむ、気持ちは、やや微妙。
そうそう、映画は「アイ、ロボット」。
アイザック・アシモフの不朽の名作「われはロボット」われはロボット 〔決定版〕 アシモフのロボット傑作集 (ハヤカワ文庫 SF)で出てくる
「ロボット3原則」をネタに、ウィル・スミス主演で作ったアクション映画だ。
「不朽」とか書いたが、実は読んでない。こういうインチキはいかんな、と反省。


それはともかく、プロットはこんな感じ。
ロボット工学の権威ラニング博士(ジェームズ・クロムウェル「LAコンフィデンシャル」「ベイブ」)が自殺、
博士の遺言で捜査を依頼されたシカゴ市警殺人課のスプーナー刑事(スミス)は、
自らサニーと名乗る、新型ロボットと出会う。ロボット全般に不信を抱くスプーナーは、
サニーを、博士殺害の犯人と見て、追及を始める。
しかし、捜査の途中、ロボットが次々とスプーナーを襲う。
3原則に反した、ロボットたちのナゾの行動に潜む陰謀は…、というとこか。


そのロボット3原則、有名だが、さあすぐに3つ挙げろ、と言われると、
意外と思い出せないので、とりあえず書いておく。
第1条「人間に危害を加えない」
第2条「第1条に背かない限り、人間の命令には従う」
第3条「1,2条に背かない限り、自らの身を守る」


映画自体は比較的、オーソドックスな作品だと思う。
最大のテーマは、自我に目覚めた、自由意思を持つロボットと、人間との関わりにある。
ここらへん「火の鳥」未来編火の鳥 2(未来編) (朝日ソノラマコミックス)や「ターミネーター」にも通じる、
と書くとややネタバレかも知れない。
あとは、ロボットという異質のモノとの友情。これも、もう使い古されたテーマかな。
あとはアクション。ウィル・スミスがとりあえず大暴れする。
「バッド・ボーイズ」以来「ID4」「MIB」…。だいたい、いつものパターンだ。(笑)
別に面白いから、同じでも観るんだけど。
そういう意味でいえば、新味があるのはモーションキャプチャーとCGで描かれる、
ロボットの動きや、未来のシカゴの映像くらいだろうか。


じゃあ、観る価値がない? そんなことは全然ない。
こうした素材をアレックス・プロヤス監督がセンスよくまとめることで、
ごく良質のエンタテイメントになっているのだ。
映像センスは「クロウ」「ダーク・シティ」で定評のあるプロヤス。
もう、観てるだけでワクワクする感じだ。やはり抜かりはない。
さらに、ストーリーの横軸に当たる、その膨らみも十二分にある。


使い古され、うち捨てられたロボットたちの、悲哀にも近い味わいや、
無機質そのものの、ロボットの行動原理、
スミス扮するスプーナー刑事のある過去、その過去がもたらす思想や秘密、
自我に目覚めたロボット、サニーの〝パーソナリティ〟
ラニング博士の同僚、カルヴィン博士を演じるブリジット・モイナハン
(「トータル・フィアー」「セレンディピティ」)のちょっとお堅い魅力…
挙げればきりのないあたり、やはり単調なSFアクションではない。


観賞後の余韻もなかなか感慨深い。
自我に目覚めたロボットたちは、どこへ行くのか、どうやって〝生きて〟いくのか。
色々考えさせられちゃう感じだった。考えてもあまり解決すると思わないけど。


そうそう、考えさせられちゃうことはほかにもあった。
ウィル・スミス、ビルドアップしすぎ。
筋肉美を見せつけたかった気持ちはわかったけど、
ちょっとマッチョすぎて、かえってデブっぽく見えた。
ブリジット・モイナハンは、老けメイクがもったいない!!
色っぽくていい女優なのに、何であんな感じでアイライン濃くするのか…
ま、ここらへんはもちろん瑣末なことなんだが。


今週はほかにも「CODE46」「ヴィレッジ」「テイキング・ライブス」と盛りだくさん。
頑張って観に行かないと、消化できない。頑張るぞ、おー!
というくらい、仕事も頑張れよ、と言われたくないので、このへんで。