お仕事と台風にげんなりの一日

ま、福岡がこんな状態じゃ…

前日から続く、間抜けなお仕事で、かなりげんなりの一日。
台風の影響も加わり、
きょうから予定していた福岡出張も一日短縮。またげんなり…
それにも負けず、昨日から読み続ける。


石田衣良「骨音−池袋ウエストゲートパーク3」。ISBN:4167174081
1、2巻はもちろん既読。池袋ウエストゲートパーク 少年計数機―池袋ウエストゲートパーク〈2〉
初めてこの小説の存在を聞いた時、けっこう驚いた。
池袋、それも西口公園がこういう形で小説になるとは…。
まあ、おしゃれじゃないところがいいんだろう、とは思う。
その割に規模は大きいから、モノはあるし。
乗換駅がここだったせいで、小学校ころから新宿とともに慣れ親しんだ街だから、
それなりに愛着はあるけど、小説の舞台になるなんて、やはり複雑な心境だ。


ちなみに西口公園の思い出。ガッコさぼって、塀の上で昼寝してたら、
「いい運動神経してるね! 自衛隊はいんない?」と、勧誘されたこと。
というか、真っ昼間からガッコさぼって池袋で昼寝してる奴に、自衛隊つとまらないし…


そういうのはともかく、シリーズ第3作。
ハードカバーですぐ読みたい、というほど好きな小説じゃないが、
文庫で出ると、早く読みたい程度には好きなので、さっそく読んでみた。
今回のお題は「ホームレス襲撃」に「娼婦の縄張り争い」
地域通貨」「ドラッグとレイヴ・パーティー」の4作。


縄張り争いの事件を描いた「西一番街テイクアウト」が秀逸だ。
品のない娼婦が、外国人娼婦との縄張り争いで嫌がらせを受ける。
ヤクザも巻き込んだ、執拗な嫌がらせ。
主人公、マコトとたまたま知り合った、その娼婦の娘が巻き込まれた時、
池袋の街が立ち上がる。


この娼婦の品のなさ(こういう描き方も、いいかげん差別だが)と、
娘のいたいけさ。そして二人の絆、という使い古されたモチーフなんだが、
さすが、そこは石田衣良だ。
手慣れたキャラクター、手慣れた設定、手慣れたモチーフで、
泣かせる話を作り上げる。
続編、シリーズものならでは、の心地よさでもある。
快適に、1冊を読み終えた。