幕張シネプレックスで「バイオハザードⅡ:アポカリプス」

ミラさまったら、もう♪



アドレナリン、かなり出てたんだと思う。
仕事終わりで疲れてたはずなのに、全然気にならなかった。
ゲームは全然やったことないが、もともと前作「バイオハザード」は大好きな映画だ。
香港旅行中に、日本よりずっと早く公開してたので、
中国語字幕もものともせず、観てしまったくらい。
ちなみにハングル字幕よりは、意味が通じる分ちょっと面白い。


それはともかく、前作からの流れはこんな感じ。
生物兵器の地下研究所で、感染が起こり、研究員がすべてゾンビ化。
制圧部隊とアリスは、決死の戦いを挑み、研究所から脱出した。
しかし、治療後にアリスが観た地上世界はすでに…
で、終わっていた前作の続きをそのまんま描く。
再び目覚めたアリスは、ウイルスを産み出した博士の娘の救出に向かう。
国際的コングロマリット、アンブレラ社によって張り巡らされた陰謀の中、
アリスたちがゾンビや、遺伝子操作の怪物たちとの戦いに挑む。


この映画のよさは、何といっても、
作品のファーストプライオリティをしっかり把握していることだろう。
ゾンビたちをバシバシと打ち倒す主人公アリスのカッコよさが、作品世界の柱だ。
だから、ミラ・ジョボヴィッチを主役にすえた時点で、半分がた「勝ち」といっていい。
だが、キャスティングが成功したにもかかわらず、
アンジェリーナ・ジョリーの「トゥームレイダー」は、
2作にわたって大きく期待を裏切った。


ヘンな欲をかいてしまって、必要以上に冒険やロマンスを盛り込み、
中途半端に大作化してしまったのが、冗長で退屈な作品を生み出した原因だ。
だが、「バイオハザード」は、大作にしようなんて全然思ってない。
予算は大作でも、そのテイストはまるっきりのB級だ。
洒落の効いたゾンビ描写と、切れのいいアクションに絞る。
ミラ=アリスがカッコよけりゃいいじゃん、的なノリが、映画のよさを引き出している。


とにかく強い。で、カッコいいのだ。
そりゃ、フェミニズムの観点から行くと、かなり問題はあるんだけどね。
ゾンビに囲まれてるのに、やっぱりミラは太もも&ヘソ出してるし、
胸元も何気に色っぽい。
もちろん、ムダ脱ぎもきっちりする。ひたすら眼福としかいいようがない。
もう一人のヒロイン、ジルだって、ホルタートップから胸ちらついてるし。
そんな特殊部隊のコマンドぜったいいないよ(笑)
前作の自称〝アンファッカブル〟ミシェル・ロドリゲスとはまた全然違う。
ちなみに、〝アンファッカブル〟というのは、
女性のセックスアピールを商品化しない、という意味。本人の造語だそうです。
まあ、こんな映画喜んでみるオトコ(あっ、僕だ…)のレベルに合わせた、といえば、
そのまんまマーケティングが活かされているんだろうけど。


だが、そんな問題を通り越して、アリスの強さは爽快なのだ。
反面、逆にオトコたちの情けなさが、完全にギャグになっちゃってるんだけど。
もう、役に立たないわ、情けない死に様だわ、で、それはそれでいいスパイスではある。
悪役のやられかたなんて、最後思わずガッツポーズが出るくらいだ。
これもまた、アリス=ミラを際立たせる、演出効果を狙ったものなんだろう。


もちろん、不満がないわけではない。
アクションシーンのカットがやたらと細かい。
正直、何やってるんだか、わからない部分もあった。
まあ、長いカットでやると、スピード感が出ないからなんだろうけど。
ちょっと限度を超えてるんじゃないかな、とも感じた。
まあ、「バッド・ボーイズ」「アルマゲドン」の
マイケル・ベイとかと比べれば、まあましか。
いや、マイケル・ベイもけっこう好きだけど、
アクション・シーンはブツ切れひどいもん。
それと、前作の「レーザー光線人間賽の目切り」みたいな、
目新しいシーンがないのもまあ物足りないかな。
いや、あくまでお話しの世界なんで、誤解なきよう(汗)


総体的には非常にすぐれたエンタテイメント作品といっていいと思う。
ドーン・オブ・ザ・デッド」とともに、
ゾンビ映画の名作に名を連ねたんじゃないだろうか。
前作の監督、ポール・W.S.アンダーソンは
「エイリアンVSプレデター」(また、バリバリB級だ)
専念のため、脚本と製作のみに回ったが、
グラディエーター」「パイレーツ・オヴ・カリビアン」などで
長らくセカンド・ユニットを経験した
アレクサンダー・ウィットに監督を任せたことのは正解だったと思う。
確かなビジョンの下で、職人監督に委ねた成功例と考えたい。
断言してもいいだろう。続編にありがちな、
「2匹目の何とか」とは一線を画した、(ゾンビ映画ファン)必見の映画だ。
あっ、()があったら、何にもならないか…