カジュアルに楽しむ「ヴァン・ヘルシング」

ヒューはもちろんカッコいいっす

札幌シネマフロンティア先行オールナイトヴァン・ヘルシング」。
ユニヴァーサル・モンスター勢ぞろいだ。
ドラキュラ、フランケンシュタイン、狼男。
すごいぞ。藤子不二雄の「怪物くん」以来の快挙だ。違うか…。


この映画、すごく楽しみにしていた。理由はたくさん。
以前にも書いたが、ヒュー・ジャックマンがすごく好きだ。ホ×じゃないよ。
http://d.hatena.ne.jp/mike-cat/20040822
その上、ケイト・ベッキンゼールだ。
パール・ハーバー」「アンダーワールド」はいまいちだったが、
「ブロークダウン・パレス」に「金色の嘘」「セレンディピティ
そうそう「シューティング・フィッシュ」も強烈にキュートだったからなぁ…
ブロークダウン・パレス [DVD] 金色の嘘 [DVD] セレンディピティ [DVD] シューティング・フィッシュ [DVD]
そして監督のスティーヴン・ソマーズ
実はすごく好きな監督の一人だ。
ハムナプトラ」シリーズも悪く言う人が多いけど、
あれはあれで、いいんじゃないかと思う。
問題はB級テイストのモンスター映画「THE MUMMY」を、
邦題「ハムナプトラ」にしてしまった上、
まるで「インディ・ジョーンズ」みたいな映画と偽った配給先にあると思う。
由緒正しいアクションアドベンチャーと思えば、
荒唐無稽さに不満も出てこようものだ。
ハムナプトラ 失われた砂漠の都 [DVD] ハムナプトラ 2 黄金のピラミッド デラックス・コレクターズ・エディション [DVD]
このソマーズの本邦初公開は「ザ・グリード」。
この映画、B級モンスターパニックの傑作だ。
「X-MEN」のジーン・グレイ役、ファムケ・ヤンセンがたまらなく色っぽい♪
「90分で3,000人− 喰って、喰って、喰いまくれ!」。 ザ・グリード [DVD]
いかにも東宝東和テイストあふれるキャッチコピーだが、
映画の内容も、B級テイストに徹した、実に楽しい映画だった。
詰まることろ、単にこのノリでずっとやってるのだ。
そう考えれば、まあ大作であってもお気楽に観ていいんじゃないかと思う。


ここでようやく本題の映画に戻るわけだが、
その期待度の高さに応えたのか? もちろん! という感じだった。
いや、そりゃあ厳しい視点で見極めていけば、
5分に1回くらいは「おいおい…」にはなるんだろうが、
突っ込むのも野暮じゃないか、と。
いいじゃないすか、カジュアルに肩の力抜いて、
「おー、ドラキュラ、やったぁ狼男! 行け! ヴァン・ヘルシング」とかでも。


映画の中身そのものについていえば、荒唐無稽というか、ムチャクチャなんだが(笑)
怒とうのパワーで押しまくるから、そこまで気にならない。
3大モンスターも、うまいこと使ってる。
一番難しいドラキュラのキャストも悪くなかった。
あるセルフパロディについてはさすがに苦笑するしかなかったが…
でも、あの駄作「リーグ・オブ・レジェンド」のように、
キャラ同志の個性つぶし合いみたいな悲劇が起こらず、安心した。


ただ、この映画、あくまで売りは3大モンスターだったが、それだけでは終わらない。
いわゆる「キャラが立ってる」というのに当てはまるのが、まずは
ヴァン・ヘルシングの相棒で、武器発明家兼修行僧(なまぐさ)のカールだ。
ちなみに「ロード・オブ・ザ・リング」のファラミアやってたデーヴィッド・ウェナム。
まあ、けっこう典型的なおとぼけ役なんで、
こういう映画ではたいてい美味しいトコかっさらっていくものだが…


それ以上に目を引いたのが、ドラキュラの花嫁たちだ。
一番出番が多いのはアリーラ役のエレナ・アナヤというスペインの女優さん。
トーク・トゥ・ハー」「ウェルカム・ヘヴン」に出てたらしいが、
どちらでもまったく記憶にない。
でも、なかなか悪賢い感じがにじみ出てて、魅力的だった。
しかし、個人的にはマリーシュカ役のジョジー・マランがいい♪
GUESSとかGAPラルフ・ローレンなどのキャンギャルやってたらしい。
カリフォルニア娘ですな。大味っぽいけど、かなりいかしてる。
あと一人はあまり印象ない。興味ないタイプ。以上。


まあ、そんな3人なんだが、時に飛ばしすぎになりそうなストーリーを、
うまい具合にテンポ調整している。それも間延びさせることなく。
ドラキュラの花嫁といえば、フォランシス・フォード・コッポラの「ドラキュラ」で、
キアヌ・リーヴスが、花嫁たちに取り囲まれてるの見て、
「あれはあれで、かなりの極楽気分かも」と思ったバカは僕ですが、
キャラクターとしては、なかなかおいしい存在だったんだな、とあらためて実感。


そんなわけで、2時間13分を満喫したわけだが、
じゃあ、不満はないのか、といえばひとつある。
ケイト・ベッキンゼールのまゆ毛。今回の描き方はあまり感心できないなぁ…
あんまり細いの似合うと思わないけど。
もともと、出っ歯だって直さなかった〝ナチュラル〟派なんだから、
まゆ毛だって、別にボウボウでもよかったのに。
コスチュームはまあまあ。だけど、あんまり胸を強調するのもどうか、と。
別に、そっちで売ってるわけじゃないんだから、と心配になった。


それともう1点は不安。ミイラ男でシリーズ2本作ったソマーズは今回、
一気に3大モンスターをぜいたくに使ってしまった上、
この作品だけで、もう1モンスター(数え方わかんない…)使ってしまってる。
次の作品どうすんだろ。また「ハムナプトラ」というわけにもいかんだろ。
そりゃ、ブレンダン・フレイザーレイチェル・ワイズも大好きだけど。
ヴァン・ヘルシング2」? 誰と何と戦うの?
ゾンビ? いやもう「バイオハザード2 アポカリプス」を始め、
もうことしだけで何本ゾンビ映画やってることか…
キングコングとかいうわけにはいかないし…
ああ、そういえば、それはピーター・ジャクソンの次回作だった。
まあ、それは僕の心配することじゃないから、いいんだけど。


そうそう、気付いた点、あと1コ追加。いやたいしたことじゃないが…
ハムナプトラ2」と同じ手法を使った部分は、タイトルが最後まで出てこないこと。
冒頭のユニヴァーサルのロゴ画面から、いきなり物語に突入する。
そしてノンストップのジェットコースターを終えると、
最後のエンドクレジットでたっぷりと余韻を楽しませる。
それでもクレジット途中で立ち上がる人はいたのだが…


予告はようやく「ヴィレッジ」が、〝本予告〟っぽくなってきた。
あんまり見せられても困るが。
シックス・センス」ぐらい驚かせてくれることを望みたい。
いや「アンブレイカブル」「サイン」ももちろん好きだけど、
あまりの演出のうまさで、話が「おいおい…」なのがごまかされちゃったのがなぁ。
こんどはびっくりさせてくださいな、とひたすら期待。


スカイキャプテン」もすごく前にネット予告で観たのより、
ずいぶん本編部分見せてくれてる。オールド・テイストがたまらない。
襲いかかってくるロボットたちなんて、鉄人28号チックで最高だ。
アメリカ人的には「アイアン・ジャイアント」っぽい、だろうか。
キャストはバランス的にもいいと思う。
アンジェリーナ・ジョリージュード・ロウグウィネス・パルトロウ
アンジーは「テイキング・ライブス」と続け気味の公開になるのかな。
トゥームレイダー」シリーズでケチつけてから、
ちょっとパワー落ちてる感じなんで復活に期待。


バイオハザード2 アポカリプス」も楽しみ♪
個人的には、ミラ・ジョヴォビッチの一番の当たり役だと思ってる。
だって、あのアリスのカッコよさ、ほかの女優じゃまず出せない。
ただ、1作目でいい味出してたミシェル・ロドリゲスがいないのが不安材料。


あれ? 前作の監督、ポール・W・S・アンダーソンが脚本と製作のみになってる。
それに前作以降、全然映画撮っていないみたい。何でだろ?
「イベント・ホライズン」とか「モータル・コンバット」も、面白かったんだが…
と思って、調べたら「エイリアンVSプレデター」の監督やってた。
ばりばりアホ映画。すごい楽しみ、ちょー期待ってトコだ。
どうしてこの両者を戦わせるのか、
「フレディVSジェイソン」と同じくらい無意味で、イカしてる。
安心というか、何というか、ちゃんとこの監督、この〝B級の世界〟にとどまってた。


と書きまくったトコで眠くなったので、眠りに落ちる決心を固める。
「ハリポタ」観た後に風邪引いて寝込み、きょう治ったばかりなのに、
完全に忘れて映画観に行ってしまったことを反省…
したふりをしてみる。それも自分に向かって。つくづく学習能力が欠けている。
まあ、いいとしよう。映画面白かったし。
これで納得できる自分がちょっとこわいが(笑)