スーパーめぐりは、旅の醍醐味

講談社・1800円

「バカこくでねえ!」と怒ってはいけない。本当に楽しいのだ。
こうして、写真集まで出たことで、
より普遍的な楽しみであることもわかって、非常にうれしい。
というわけで、森井ユカ「スーパーマーケットマニア」。
ISBN:4062123754


旅先のスーパーマーケットには、様々な味わいがある。
確かに、置いてある食品や雑貨の数々はマスプロダクツによるものだ。
だが、そのパッケージデザインのポップさは、
色々な国、色々なスーパーそれぞれの特色が出ていたりもする。
そう、旅行者の気持ちを、さらに浮き立たせる、とっても素敵なオプションだ。


海外旅行に出ると、必ず現地のマーケットや、スーパーに立ち寄る。
もちろん、スーパーというくらいだから、
おおもとのフォーマットは、そこまで大きく変わるわけではない。
だが、そこににじみ出るその生活感は
まさに異国に来た、という情緒を味わわせてくれるのだ。


まあ、東南アジアに行くと、マギーとか日清とか、
日本でも見かけるブランドもたくさんある一方で、
何ともいえない毒々しい感じ(あくまで印刷技術の問題だろうが)
の現地ブランドとか、ズラーッと並んでる。


アメリカに行ったら、もうそこはマスプロダクツのワンダーランドだ。
あらゆる食品に(とんでもないサイズで)ありとあらゆるフレーバーが揃ってる。
その種類たるや、もう信じられないくらいだ。
日本のへたな店舗一軒分くらいに、ずっとシリアルが並んでたりすると、
もう目移りしていけない。


気付くと、ざくざくと買い込んでいる。
もう、持って帰るとか、ホテルの部屋で食べるとか、
あんまり先のことは考えていない。
このフレーバーを試してみたい! このパッケージかわいい♪
もう、本能の赴くままだ。
自然、荷物は無限に増えていく。
長期滞在の時はまだしも、短期の旅行なんか、
スーツケースを一個追加して、無理やり持って帰ったりする。


帰国してからも、調味料とか、インスタント食品とか、雑貨とか、
重宝して使える物が多いのも特徴だ。
タイから帰った時とか、
しばらくタイのドレッシング(らしきもの)病みつきになってた。
ソムタム(青パパイヤのサラダ)作る時に、本当に便利なのだ。
ブラジルから買って帰った、ナゾのお菓子は結局食べなかったんで、
あまりえらそうなことはいえないが…


そんなスーパーめぐり大好きな僕にとって、
この森井ユカ著「スーパーマーケット・マニア」は
ストライクゾーン、ど真ん中の本だった。
それも、行ったことのないヨーロッパ。
実は、20カ国近く行ってるのに、まだヨーロッパに行ったことがない。
それこそ、お楽しみの宝庫なはずなのに…


書店で手に取って、パラッと中をのぞいただけで、
それはものの見事に証明された。かわいくって、センスがいいのだ。
間違いなく、要らない物まで買ってしまいそうな、
ポップで、そそるデザイン。これぞ、スーパーの王道だ。


紹介されているのは、
イギリス、フランス、ドイツ、スウェーデン
各国各チェーンごとの、センスのいい食品・雑貨のパッケージ。
そして、オリジナルのお買い物袋などなど…
センスや価格を軸にした、チャート表なんかもあって、
資料的価値(何の資料か、といわれても困るが)も◎だ。


個人的にお気に入りは
イギリスの高級スーパー〝Waitrose〟。
オレンジのカラーに、シルエットが映えるネコ缶や、
本の中でお買い物袋ナンバー1にも選ばれた、ウシ柄のブルーのショッピングバッグ。
もう、行ってみたくてたまらなくなる。
      ↓
http://www.waitrose.com/


デザイン激戦区のスウェーデンだと、
安全食品に力を入れる〝HEMKOP〟。
モノクロとカラーを組み合わせた、
印象的なパッケージのプライベートブランド製品が光る。
     ↓
http://www.hemkop.se/


国営のドラッグストア・チェーン〝Apoteket〟も捨てがたい。
厳密にはスーパーではないのだろうが、
パンフレットのデザインとか、とってもかわいい!!
     ↓
http://www.apoteket.se/


2006年、日本に旗艦店出店予定とかの雑貨スーパー〝IKEA〟もいい。
もう世界31カ国に出店済みらしいので、ご存じの方も多いのだろう。
僕は、初めて知ったが、雑貨むちゃくちゃセンスがいい。
          ↓
http://www.ikea.com/  http://www.ikea.jp/


読み終えて、心に決めたこと。
一つ、ことしこそヨーロッパ上陸! お買い物ツアーだ。
いや、休みさえ取れれば、行く予定なんだが…
マイレージ、ファーストクラスでヨーロッパ2往復できるくらい貯まってるのにィ!
二つ、愛読者カードを出す。
そう「アメリカ編も早く出してください」って書くんだい!