統一感いまひとつ? の「リディック」

リディック コレクターズ・エディション [DVD]
というわけで「リディック」に変更。原題は「THE CHRONICLES OF RIDDICK」
何で、年代記か、はラストまで観終われば、分かる。
思わず、にやりとしてしまうから…


ロード・オブ・ザ・リング」を越える製作費だそうだ。
デヴィッド・トゥーヒーの映像センスと、本物の大型セットを使った質感が、
壮大な映像世界を作り上げている。これは、すごい。
バロック様式を思わせる、重厚な世界観は、
SFとしてのクオリティを高めていると思う。


シリーズ前作「ピッチブラック」でも見せた、
ヴィン・ディーゼルのアクションも健在。
スピード、パワーを兼ね備えた、その切れ味は、SFの設定を借りた分
「XXX(トリプルX)」「ワイルドスピード」以上かもしれない。
ピッチブラック [DVD] トリプルX [DVD] ワイルド・スピード ― コレクターズ・エディション [DVD]
ヴィン・ディーゼルの「俺さまムービー」感も、思ったほど鼻につかない。
むしろ、トム・クルーズ「MI:2」
(別名「トムくんの大活躍:こんどはカンフーにも挑戦だ」)より、
「俺って、どうしてこんなにカッコいいんだろう」度は低い。


ただ、なのだ。その映像美と、アクションに統一感がないのが痛い。
死をつかさどる帝国「ネクロモンガー」との戦いなのに、描かれるのは局地戦のみ。
スター・ウォーズ」だって、
ルークたちの戦う局地戦だけでなく、大局的なものの描写はあった。
リディックは、局地戦だけで帝国と戦ってしまうから、
帝国の重厚な描写が、浮き上がる。


ストーリーを転がす原動力になる、ドラマの中の必然性もいまいち足りない。
なぜ戦うのか、どうしてこういう選択をするのか、納得できない部分が、
映画への夢中度を削いでいく。
せっかく、部分部分はいいのにな…、と非常に残念だった。
まあ、前作「ピッチブラック」の内容ほとんど覚えていないから、無理もないかも。


予告は「スクービー・ドゥー」「バイオハザード」の続編。
「1」はどちらも、期待度低かったのに、観てみたらなかなか…の作品だった。
これがある程度こちらが期待している「2」になって、どれだけの作品になるのか。
どちらかといえば、不安の方が大きい。
それでも、キャーキャーやってるシャギー=マシュー・リラードとか、
相変わらず何だかえっちなミラ・ジョボヴィッチとか観てると、
何だか早く本編観たくなる。
スクービー・ドゥー 特別版 [DVD] バイオハザード [DVD]
ふたごの虎を主役にすえた、大河ドラマ
「トゥー・ブラザーズ」もティーザー予告ではどうでもいいか、と思っていたが、
今回の予告で一気に期待度アップ。
薔薇の名前」「愛人(ラマン)」のジャン=ジャック・アノー監督に、
「LAコンフィデンシャル」「メメント」のガイ・ピアース
けっこう泣けそう、というか、予告だけでけっこう込み上げてきた。
薔薇の名前 特別版 [DVD] 愛人(ラマン) 無修正版 L.A.コンフィデンシャル [DVD] メメント [DVD]

ううん、でもそれは「ガールズ・ブルー」読んで、
ちょっとメランコリック(30代にもなって…)になってたからかも知れない。
でも、平気で「リディック」とか観てるんだから、関係ないか…
これこそ、統一感に欠ける、というやつかもしれない。