淀川土手は城北公園の城北菖蒲園


そういえばそろそろ花菖蒲、と思っていた矢先、
城北公園の花菖蒲園で、見ごろとの情報を見かける。
菖蒲といえば東京・葛飾堀切菖蒲園くらいしか知らなかった(無知)が、
どうもこちらで城北菖蒲園といえば、なかなか有名なスポットらしい。
いそいそと天満橋から110系統「守口車庫行」バスで「城北公園前」へ向かう。


1964年、淀川土手に開園されたというこの菖蒲園は、
江戸系、伊勢系、肥後系などの250種1万3000株が咲き誇るという名所。
というか、江戸系だの何だのも知ったのだが、江戸時代からの流れになるらしい。
ちなみに江戸系は群生美、肥後系は雄大な花を楽しむ六英咲き、
伊勢系はやや小ぶりな三英咲きが特長だということらしい。なかなか難しい。


園内に入ると、いきなり目に入るのは、一面に咲き誇る花菖蒲の風景。

なるほど、これはすごい。
これまで花菖蒲には縁がなかったのだが、根強い人気の秘密がよくわかる。
すこし早めの紫陽花なんかも咲いていて、ちょっと得した気分も味わえる。

どれもこれもが鮮やかで、甲乙つけがたいのだが、いくつかご紹介。

まずは江戸系でやや薄紅がかった紫が美しい「猿踊」

「紫衣の誉れ」は、濃い紫が妖艶な風合いを醸し出す。

「滋賀の浦波」は、6枚の花弁と色のバランスが見事な逸品。

「日の出鶴」もピンクがかった色合いが目に麗しいのである。


肥後系はダイナマイト・ボディ(不穏当…)の花ばかりだ。

「白鳥」は文字通り、翼を広げた白鳥のような印象。

「辻が花」はピンクのフリルをあしらったような大輪で迫る。

「紅唇」は花弁の垂れ具合と紫の縁取りが絶妙のマリアージュになっている。


もともとやや少なめの伊勢系は、
やや見ごろを過ぎ気味なこともあって、写真は1枚だけ。

しかし、この「伊勢千歳」は、マイベスト候補の見事な咲きっぷりだ。


また、長井古種という、より原生種に近いものも。
花菖蒲にはなぜか力士を思わせる名前が多いのだが、

この「出羽の里」もそのひとつで、花芯の鮮やかさがたまらない。

「小桜姫」も3枚の花弁のグラデーションが美しい品種である。
雑種系、という身もふたもない名前の系統もある。

だが、この「金鶏」の見事さを目にすれば、そんな名前など関係なくなる。


そんな怒濤の勢いで迫る花菖蒲に、ただひたすら圧倒され、

ちょいと横を眺めると、そこには「ほざき七竈」が咲いていたりして、これまた一興。
まだまだ花が残っているツツジなどとともに、目を楽しませてくれたのだった。