那覇・おもろまちはCINEMA Qで「ザ・リング2」

mike-cat2005-06-23



いや、自分でも、ホント沖縄まで来て何やってんの、
という感じなんだが、せっかく時間ができたもんで…


で、映画。率直にいうと、あんまり怖くない。
で、正直に言ってしまうと、かなり印象希薄な作品だ。
日本版「リング」中田秀夫がハリウッド・デビュー、
というのがミソかとは思うのだが、
ジャパニーズ・ホラー的なじゅくじゅくした感覚は、そんなになし。
かといって、あっちのショッカー・ホラーっぽい怖さもなかったりする。
「1」と「2」を単純比較するのは乱暴とは思うけど、
ゴア・ヴァービンスキー(「パイレーツ・オブ・カリビアン」)版の「1」の方が、
はっきりいって面白かったと思う。
脚本もアーレン・クルーガー(「隣人は静かに笑う」)で一緒だし。
まあ、それこそ「1」は日本版「リング」に忠実に、
そして怖さのツボはアメリカ人向けに作った作品だから、
ヴァービンスキーだけの手柄とは違うと思うけど。


「呪いのビデオテープ」の難を逃れ、
レイチェル=ナオミ・ワッツとエイダンの母子は、シアトルからオレゴンの田舎町へ。
しかし、二人を追いかけるように、その町でも、変死事件が起こる。
そして、ついにサマラはエイダンに取り憑いてしまったのだった…


サマラの〝復活経路〟や、行動の数々を見るにつけ、
だいぶムリが出てるな、というのはかなりひしひしと感じられる。
まあ、原作だって「リング」「らせん - (角川ホラー文庫)」と続くにしたがって、
ムリが生じてはきていたから、細かいこというのも何だけど。
でも、あんまりビデオテープどうこうが関係なくなっているのは、さすがに問題。
何か、原点を見失ってしまった、というか、「リング」を観ている気がしなくなる。


その上、最初にも書いた通り、こわくない。
退屈するほどつまらないわけではないけど、ドキドキとかは全然しない。
「ひょお、怖い」という場面が数カ所。
水をキーワードにした恐怖描写は、まずまずだったと思う。
あとは、ワッツが演じた〝母親にとっての最大の恐怖〟もまあまあ。
あとはシカ、と予告でもやってた井戸をよじ登るサマラ、ぐらいかな。
でも、「ひゃあ、怖い」はなかったようにも思える。
これじゃ、アメリカのティーンの女のコだって、
隣に座るボーイフレンドの方にしがみつく機会を逸してしまうはずだ。余計なお世話だが。


そういえば、前作同様サマラより怖かったものがある。
息子のエイダンだ。このデヴィッド・ドーフマンという子役、目つきが悪い。
というか、そのまんま「オーメン」のリメイクに使えそうな、イヤな目つきだ。
陰気だし、表情もどこかぬめっとした感じ。
「ううん、この子こわいな」と思ってたら、サマラが取り憑く。
「ひょえーっ!」と思ったら、これがなぜか普通の子どもっぽくなっちゃう。
この時はさすがに、「取り憑いたままの方が、万事うまくいくのでは?」と思った。
あとはレイチェル=ナオミ・ワッツの我慢一つで。って、できないか…
そうそう、シシー・スペイセク(「キャリー」)が軽いボーナスっぽく出演している。
ちょいとネタバレだが「この母にして、この子あり」的な、ダークな笑いを誘う。
しかし、こういうネタは、作品そのもののデキがよくないと、やっぱり活きてこないな。
あとは、印象希薄なんでもう忘れちった。
僕の好きなナオミ・ワッツも、今回の作品ではあんまりきれいと思わなかったし。
結論をいうと、「観ても観なくてもいい映画」。
月に5本以上観る人なら、特別損するぞ、って映画じゃないが、
数少ない映画鑑賞の機会を使うなら、ほかの映画をお勧めしたいかな、と。