こんなオンナに、ついていけるか?

mike-cat2004-08-06

垣根涼介サウダージISBN:4163232206


いけね、「ヒートアイランド」「ギャングスター・レッスン」の続編だ。
ヒートアイランド (文春文庫) ギャングスター・レッスン
オビに書いてくださいな、文藝春秋さんや…
ヒートアイランド積ん読中なのに。
まあ、でも問題なく読めたので、しゃあないか。


で、「サウダージ」とは、二度と会えぬ人、行けない場所への郷愁だと…


なるほど、主人公の一人「耕一」は、ブラジル移民の2世。
幼少時に日本へと戻り、苦い人生を味わわされた。
その恋人は、コロンビア人娼婦の「DD」。
えげつないほどバカで、下品でわがままなゴージャス美人(顔かたちのみ)。


もう一人の主人公、アキは「ヒートアイランド」からの主人公。
元チーマー(死語の世界)、現在は裏カネを狙うギャング業の若手。
恋人は、歳上のデザイナー。
アキの持つ独特の雰囲気に、戸惑いつつも惹かれる。


ストーリーの縦軸は、あるデカい「しのぎ」。こちらはまあ、おいといて、
何より強烈なのは、やはりDDだ。
何しろわがまま! 下品! っていうのは、もう書いたな…
あと、あさましい。「落ちているカネは十円でもすぐに拾う」はオビにもある。
ファム・ファタールとか、悪女とかならまだしも、
その幼稚さには、美学もへったくれもない。


まあ、たどたどしい日本語をしゃべらせ、
それをイコール知性ととらえがちな、描写はどうか、とも思うが…
自分が英語圏でやられてる
「君は言葉もろくにしゃべれない、おつむの弱いコね」的扱いを思わせるし…


それはともかく、
このDDに惹かれていく耕一の姿が、この小説のミソだろう。
小説世界だから、何となく理解できるが、
現実世界だときついだろうな。すごい気分屋だし…


商売どうのこうのについては、別にどうとも思わない。
そこらへんを著者はどうも強調してるみたいだが、
自分が買おうと買うまいと、別にその商売をしてる人をさげすむいわれはないし…
まあ、何度も書くがその強烈さに、現実でついていけるか、が考えどころ。


小説の出来自体はどうだろか。
スーッと読めたが、読後感はやや消化不良の感もある。
シリーズものの、宿命なんだろうか。
こうなったら、絶対涙が止まらなくなるのに、という形は取らない。
(まあ、人それぞれなんだろうが…)
次、があるからこうせざるを得ないんだろうな、という想いが、しばらく残った。
まあ、でも「サウダージ」の意味を考えると、こうなのかも…


今夜は東中野カレーリーフ」で、南インド風チキンカレー。
マトンと聞いただけで、たまらなく食べたくなる関係で、
これまでマトンばかり食べていたが、今回初挑戦。


お店で一番辛い、との触れ込みのやつをもっと辛くしてもらったんだが、
どうも辛みが足らず…
最近、ホントに辛みに強くなった(鈍くなった?)のはいいのだが、
タイ料理とかでも、全然辛さが足りなかったりして、ちょっと複雑。
まあ、タイの屋台とかで、
「辛くして、辛くして」といって食べてるくらいだから、無理もないのかも


こういうこと書いてると、僕の味覚を疑われる(というかレベルがばれる)かも。